two-set-down新章

two-set-down新章

スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

【week preview】2018week5ドロー解説(デ杯プレビュー)

おはようございます。
ついに2018年のデ杯が開幕です。
この記事は5週目のweek previewを兼ねます。
いつも通りデ杯WG1回戦全8試合の解説です。
今年のデ杯は試験的に1チーム5人になるようです。
これにより、ダブルス専門の選手を2人入れてもシングルス要員を3人投入できますし、単純なオーダー変更もかなりやりやすくなったため、層の厚い国にとっては非常にやりやすくなったと言えます。日本もダブルス要員が2人(マクラクランと内山)になったので非常に有利なルールになりました。今回は錦織西岡を欠きましたが、今後が楽しみです。冗談抜きで、錦織がトップ10のテニスを取り戻せば優勝にも手が届くと思っています。

 

左がホーム、数字はシード番号です。

[1]フランス×オランダ(アルベールビル、インドアハード)

フランス
プイユ
ツォンガ→マナリノ
ガスケ
エルベール
マウー

オランダ
R・ハース
Griekspoor
デバッカー
ミドルクープ
ロジャー

R1 プイユ×デバッカー
R2 ガスケ×R・ハース
R3 エルベール/マウー×ミドルクープ/ロジャー
R4 プイユ×R・ハース
R5 ガスケ×デバッカー

前回覇者のフランスは92年五輪開催地のアルベールビルにオランダを迎え入れます。
オランダはミドルクープとロジャーのダブルススペシャリストが揃っていますが、WGシード国を倒すには格落ち感が否めません。
フランスが順当に収めるのではないでしょうか。
なおこの試合の勝者が日本×イタリアの勝者とQFで激突します。

 

 

スペイン×[3]イギリス(マルベーリャ、クレー)

スペイン
カレノ=ブスタ
ラモス=ビノラス
バウティスタ=アグー
ロペス
フェレール

イギリス
エドムンド
Norrie
Broady
ジェイミー・マレー
イングロット

R1 ラモス=ビノラス×Broady
R2 バウティスタ=アグー×Norrie
R3 カレノ=ブスタ/ロペス×イングロット/マレー
R4 ラモス=ビノラス×Norrie
R5 バウティスタ=アグー×Broady

全豪ベスト4のエドムンドはベンチスタート。シングルスで手堅く勝利を重ねていけばスペインの勝利は堅いか。スペインの心配はデ杯であまり成績が良くないバウティスタ=アグーか。それにしても、トップ10クラスのカレノ=ブスタをダブルスだけに使う贅沢ぶりがうらやましい…

 

 

[6]オーストラリア×ドイツ(ブリスベン、ハード)

オーストラリア
キリオス
トンプソン→エブデン
ミルマン
デミノー
ピアース

ドイツ
A・ズベレフ
シュトルフ
Gojowczyk
Puetz

R1 デミノー×ズベレフ
R2 キリオス×シュトルフ
R3 エブデン/ピアース×Gojowczyk/Puetz
R4 キリオス×ズベレフ
R5 デミノー×シュトルフ

ATP250の開催地、ブリスベンセンターコート、パット・ラフターアリーナで行われます。
デ杯デビューとなるデミノーのパフォーマンスが勝敗のカギを握りそうです。
テニスの状態はいいですが、国を背負い5セットマッチという状況でどんなテニスを見せられるか。
また、キリオス×ズベレフの対決も注目。
さらに、ダブルスではエブデンのところにヒューイットが出るという噂も出ています。
話題性としては一番あるカードなのではないでしょうか。
ドイツのダブルスは期待できない状態で、シングルス3勝が必須となります。ややオーストラリア有利でしょうか。ただ簡単な試合にはならないでしょう。

 

 

カザフスタン×[5]スイス(アスタナ、インドアハード)

カザフスタン
ククシュキン
ポプコ
ネドベジョフ
Khassanov
Khabibulin

スイス
ラクソネン
Bodmer
Huesler
Bellier
Margaroli

R1 ポプコ×ラクソネン
R2 ククシュキン×Bodmer
R3 Khabibulin/ネドベジョフ×Huesler/Margaroli
R4 ククシュキン×ラクソネン
R5 ポプコ×Bodmer

スイスはシードですが、これは14年優勝の影響で、その後フェデラーが出なくなってからはとてもシード国とは言えない状態。今回も私ですら全く知らない選手ばかりで解説不能です。
またカザフスタンデ杯で数々の番狂わせを起こしてきた国。ホームかつこのメンバーではカザフスタンの圧倒的優位は揺るがないでしょう。

 

 

[4]クロアチア×カナダ(オシエク、インドアクレー)

クロアチア
チリッチ
チョリッチ
Galovic
スクゴール
ドディグ

カナダ
シャポバロフ
ポスピシル
ポランスキー
ダンセビッチ
ネスタ

R1 チョリッチ×ポランスキー
R2 Galovic×シャポバロフ
R3 ドディグ×スクゴール×ネスター/ポスピシル
R4 チョリッチ×シャポバロフ
R5 Galovic×ポランスキー

非常に面白いマッチアップになりました。
クロアチアは全豪準優勝のチリッチを疲労のため温存しました。
これにより、勝敗は正直読めません。
どちらかのチームが3タテしない限り、最終日のチリッチ投入は間違いないですが、采配が問われます。
クロアチアから見て2勝1敗であれば安全を考えて第5ラバーでの投入となりますが(実際過去にそういう起用があった)、実力通りいけば、初日は1番手同士が勝ち、ダブルスはドディグがいますがデ杯で何度も組んできているネスター/ポスピシルが強い。
1-2で回った場合、第4ラバーに投入するか、第5ラバーに投入するかは迷いどころです。
正直チョリッチとシャポバロフの勝敗は読めません。チリッチを投入して安全策に出たいところですが、しかし第5ラバーのデ杯経験の薄いGalovicにチームの勝敗を託すのも厳しい。
クロアチアとしてはできれば2-1で最終日に回したいところですが果たして…

 

 

[7]セルビア×アメリカ(ニシュ、インドアクレー)

セルビア
ラジョビッチ
Djere
Milojevic
Krstin
Zekic

アメリカ
クエリー
イズナー
ハリソン
ジョンソン

R1 Djere×クエリー
R2 ラジョビッチ×イズナー
R3 Milojevic/Zekic×ハリソン/ジョンソン
R4 ラジョビッチ×クエリー
R5 Djere×イズナー

セルビアジョコビッチ、トロイツキ、ジモニッチが不出場。アメリカ圧倒的有利です。
ただ気になるのはクレーサーフェス。アメリカ勢がコートに苦しめばチャンスが出てくるかもしれません。
またアメリカはブライアン兄弟を起用しませんでした。
正直この5人ルールでかなり得しているのはアメリカだと思うのですが…4人しか招集していないしもったいないと感じます。

 

 

[2]ベルギー×ハンガリーリエージュ、インドアハード)

ベルギー
ゴファン
ベメルマンス
Cagnina
De Loore

ハンガリー
Fucsovics
Balazs
Piros
Valkusz
Borsos

R1 ベメルマンス×Fucsovics
R2 ゴファン×Balazs
R3 Cagnina/De Loore×Balazs/Fucsovics
R4 ゴファン×Fucsovics
R5 ベメルマンス×Balazs

ハンガリー、22年ぶりのWG出場となりましたが昨年準優勝のベルギーを倒すのは難しいか。
全豪で4回戦に進出したFucsovicsのプレーがカギとなりますが、順当にゴファンが2勝すればそれでも厳しい。
またハンガリーは2人を3連投。よほどの何かがなければベルギーでしょう。

 

 

日本×[8]イタリア(盛岡、インドアハード)

日本
杉田祐一
ダニエル太郎
添田豪
内山靖崇
マクラクラン勉

イタリア
フォニーニ
ロレンツィ
ファビアーノ
セッピ
ボレリ

R1 ダニエル太郎×フォニーニ
R2 杉田祐一×セッピ
R3 マクラクラン勉/内山靖崇×ボレリ/ロレンツィ
R4 杉田祐一×フォニーニ
R5 ダニエル太郎×セッピ

史上初、盛岡タカヤアリーナで行われるデ杯イタリア戦です。
最初に断ると日本の勝率は30%くらいと思っています。
日本は錦織、西岡をそれぞれけがからの復帰のための武者修行の影響で欠き、一方のイタリアはベストメンバー。
さらに、全豪でフォニーニ、セッピの両名がベスト16。調子も上向きです。

しかし、その流れを変えるのがデ杯です。
デ杯には魔物が潜んでおり、東北開催、雪、インドアではありますが何やら波乱の要素はたくさん潜んでいます。

忘れてはいけないのが16年デ杯WG入れ替え戦。あの時もマルチェンコが直前の全米でキリオスを破ってベスト16。悲観論も多かった中結果はなんと3タテストレート勝ち。むしろ直前のGSで頑張りすぎて…というパターンもあります。

日本チームの勝ち方としては、やはりこれまで鬼門だったダブルスをむしろキーポイント、強みに変えることです。
楽天ジャパンオープン優勝ペアであるマクラクラン/内山は、前回のデ杯でもストレート負けだったもののメロ/ソアレスに善戦。デ杯での適正も十分です。
一方イタリアはこの人が帰ってきました。シモーネ・ボレリです。けがで長らく離脱していましたがギリギリのタイミングで復帰。フォニーニとのダブルスは全豪を制しており(今のところダブルスはロレンツィですが)全く侮れません。

まずはこのダブルスが天王山の一戦となるでしょう。

ただ日本は第2ラバーを軸に考えても、ダブルスでもう1勝してもまだ一つ足りません。
つまり、第1ラバーで勝てるなら話は早いですがそうならなかったと考えると、最終日、杉田がフォニーニに勝つか、ダニエルがセッピに勝つ。どちらかを達成しないといけません。
そして、この2つはどちらか1つだけとはいえ足しても正直確率半分あるかどうかというところです。
ダブルスが不透明なことも含めて、やや日本不利です。

日本ホーム、会場はデ杯会場としては狭い部類です。
地鳴りが起きるような応援で日本チームをサポートすることが勝利への最短距離なのではないでしょうか。

私も現地に向かいますが、喉を痛めて風邪を引かない程度に全力で声出ししたいと思います。


錦織、西岡のチャレンジャーもあり日本テニス界にとっては過去を振り返っても有数の忙しい週末となりましたが、結果が好転することを願っています。

お帰りなさい、錦織圭!(2018ダラスCH1R )

まずは復帰戦勝利、素直に祝いたいと思います。

あまりまともな分析はできていませんが、これだけははっきりしているのが、テニスをして、勝つ錦織圭が帰ってきたということです。

内容としては、1戦目2戦目ともリターンさえ噛み合えばきっちりポイントが取れるというものでした。
チャレンジャークラスの選手は、ATPツアークラスの選手とラリーをするとある程度組み立ての姿勢を見せるだけでミスを出してくれます。
これはノビコフという選手一人を貶めているわけではなく、このクラスの全選手に平均して該当する一般的な傾向です。
ある意味では、そこをクリアできればチャレンジャークラスを卒業できるということでもあります。それが簡単なようで難しいんですが。

試合を見ているとわかりますが、(直前に全豪でのいくつかの死闘を見ていることもあり)「ここほかのトップ選手ならまだつないでくるだろうな」というミスがあったと思います。
実際今日の内容だとATPツアークラスの選手だとやられるかもしれません。私もわかりません。それはニューヨーク以降ではっきりすると思っています。
ただ内容を修正し、リターンを合わせてきっちりラリーをつなげばこのレベルの選手には勝っていけるという方向性が見えたゲームだったかなと思います。

まだまだ試行回数が足りず、私としても分析不足ですが、この辺りは錦織本人の試合勘も含め、もう少し試合をこなすことではっきりしてくるのではと思います。

最後の方で少し右手をぷらぷらさせていたのは気になりますが本人談では問題なしということで、一安心です。

けがをしたことで影響が出るだろうなと思っていた
セカンドサーブ(スピンサーブ)
・フォアハンド
この2点についてはまだまだ上げていけると思います。
フットワーク慣れの問題なのか、スピン量が多く体重で押し込めていないと感じました。
この辺りは実戦の数だと思うので、疲労がたまらない限り今週は出来る限り試合をこなして、右手首が連戦に耐えれたという自信を得る過程で変わってくることを期待したいです。

 


それにしても新規の錦織ファンも十分に幸せだなあと思った今日でした。
2014年全米以降にテニスを見るようになった方にとって、トップ10を維持し続ける錦織は「耐える」。そんな感覚で、応援していて楽しいのかなあと私は不安に思ったりしていました。
なかなか2014年のようなインパクトのあるブレイクスルーは得られず、しばらくの間対トップ5全敗が続き、みなさんが思った通りの結果を出せていないのではないかと思っていました。

しかし、今の錦織圭はゼロからのスタートです。
団長もおっしゃっていましたが、ここからは1勝、連勝、ATPツアー勝利、ATP250優勝、500優勝、トップ10勝利、BIG4と対戦、BIG4に勝利、GSのQF、SF、決勝…
一つ一つが嬉しいはずです。もう一度階段を駆け上がっていく錦織圭を見ることができる、なんて幸せなことでしょうか。

私は2014年、その過程を追うことができました。
毎日がドラマチックで、毎日が興奮の連続でした。
これから今年だけで40回くらいは勝ったという幸せを噛みしめることができるわけです。しかも新鮮な気持ちで。
皆さんでもう一度「天空へ」登っていきましょう。
道は険しいです。はっきり言って途中で止まるかもしれません。わからないです。
しかしわからないからこそ面白いのです。それこそが、スポーツ観戦の本質です。
28歳、勝負のシーズン、まずは初日を出したことで皆さん前を向いていけるようになったのではないでしょうか。
錦織関係の次回の更新はダラスの最後の試合の後です。
優勝記事だといいですね。

今後のブログ運営について

こんばんは。

前身スポーツナビブログ「two-set-down」の終了まであと2日となりました。
当ブログの移行作業はすべて完了し、新体制がやっと確立しました。
この記事ではこれまでのブログからの変更点、更新方針について説明します。


まず、ブログ移行について改めて説明します。

当ブログ「two-set-down新章」では、two-set-down時代の記事の置き場を兼ね、スポーツについての記事を発信していく予定です。
大変申し訳ないのですが、引っ越し時に画像や一部の文章装束が引き継がれなかったようですが、さらっと確認した結果なおす量が膨大過ぎるのであきらめました。あしからずご了承ください。
以前に比べてテニスの話題以外も触れる予定です。
なお、このブログ内の記事に関しては、two-set-downの延長であり、文責はtwosetdown氏にあります。
同一人物ですが、今田望未さんとは切り離しております。Numberに載せられないような記事も載せているからです。
そこははっきりと責任を分けております。
なので、ここでのコメントの時の私の敬称は引き続き「twosetdownさん」「TSDさん」でお願いいたします。

そして、これとは別にほかの趣味関係の話題について書く日記「twosetdownの悠々自適生活」を用意しました。こちらもはてな系列です。
不定期に更新していきます。

これから、two-set-down新章を更新する際には「ブログ更新しました。」、twosetdownの悠々自適生活を更新する際には「ブログ(趣味)更新しました。」と書きますので、お間違えの無いようにお願いします(日記の方は見たくなかった!と言われても責任が取れません)

続いて、two-set-down新章での記事内容です。

Numberはある程度大衆受けを考えながら発信する必要があり、すでに1件編集の方にネタを却下されました。
このように、基本的に重要そうな記事についてはまずNumberで発信できないか編集の方に聞きます。
よさそうであればそのまま執筆作業に入りますが、ボツになった場合はtwo-set-down新章で記事が公開されます。
また、データベースなど、はなからNumberに載せないマニアックな内容もこちらに載ります。
それから、毎週のweek preview、ランキング試算、week reviewはこちらに載ります。できる限り続けられるようにします…

以上となります。

なお、当ブログの「コメント至上主義」は相変わらず継続しています。
はてなのIDを持ってないとコメントできないかもしれませんが、気軽にコメントしていってください。
また、記事のいいね(スポナビブログ時代の「支持する」)に相当する「はてなスターを送る」も積極的に使っていただけるとありがたいです(普通に使う限りはなくなることはない?)

まだまだ自分自身がはてなブログに慣れていないので不慣れなこともありますが、一刻も早くここでのスタイルを確立したいと思います。

 

あと、はてなのページは広告の影響で比較的重いので、記事分け、改行の減少などスリム化に向けていろいろとテストしてみようと思っています。

 

新体制になってもよろしくお願いいたします。

一つの頂に立った日(プロライターになって思うこと)

Numberは、私の憧れの雑誌だった。

幼少期、いつ最初にそれを読んだのかは忘れた。
ただ何となく記憶に残っているのは、本屋さんに売られていたことと、私の通っていた散髪屋に置いてあったことだ。
それが、私とスポーツ雑誌の最初の出会いだった。

 
今でこそテニスに詳しい人という認知を得ている私だが、5年前までは、いまテニスに対して持っている知識の7割くらいを10個以上のスポーツで持っている、いわゆる雑食系のスポーツ観戦者だった。要するに、地上波テレビで放送されるスポーツはあらゆる競技を見ていたし、必要であればそれ以外の結果も調べていた。

そんな私にとって、例えば「週刊ベースボール」や、「サッカーキング」、「スマッシュ」など、各競技1本に絞った専門誌はもちろん素晴らしい存在であったが、1冊買うだけで世界のスポーツのすべての潮流が分かる「Number」は別格だった。
そしてその筆致。各競技に精通した知識・文章力ともにスペシャリストの人のみが寄稿しているレベルの高さ。読むたびに頷きながら読んだことを覚えている。


こう書くと私のブログ活動はこの結果の足掛かりと思われそうだが、決してそんなことはなかった。
以前の記事にも書いたように、私はスポーツナビブログを始めよう!という文章に惹かれて始めただけで、そんな目標は一切なかった。

 

 


生きているからには大なり小なり夢や目標というものがある。
私はそれを条件から4つのグループに分けている。

①偶発的に起きて、完全に運のみが左右するようなもの
②自分自身が努力すればある程度の努力で叶うもの
③複数人を巻き込んである程度努力すれば叶うもの
④自分自身が努力して到底届くかわからない壮大なもの

①は簡単で、例えば宝くじが当たる、抽選でサイン入りの何かが当たるといったものだ。
あと本当に偶発的にテニス選手に会うとかも含まれるだろう。

②は自分自身の努力で何とかなるので、例えばおもしろ動画を作るとか、作曲するとか、個人でスキルを磨けばなんとかなるが、そこそこ時間と労力が必要なもの。
以前私が目標に書いた形成判断のシステム作成などがここに入る。まああれは結構難しいと思ってるので④かもしれないが。他にはWUG4th全通とかがここに入ってくる(達成済み)。

③は他人を巻き込まないと成立しないもので、例えば動画を作るにしても合作とか、チームでやるものとか、バンド組むとか、その辺が該当する(やりたいんだけどこれは非常に難しい)。

そして④はある意味では「人生の宿願」に該当するもので、ここに「Numberに関わる仕事をする」があった。他にもいろいろあるが、正直これらは全部墓場に持っていくつもりだった。

 

前回のブログの続きの話をしよう。
こういう夢に対する線引きをしている私にとって、物書きの世界に飛び込むことは選択肢の一つだった。自分から進んでNumberなりいろいろな雑誌に売り込みに行く。ブログを始めた当初はそんなことまったく思っていなかったが、年月を経て2016年地点の私の実績なら、それはできたかもしれない。
中途半端にバラ色の景色が見えたからこそ、私は迷った。

でも、やめることにした。そして、普通の道を選ぶことにした。

この時私は自分の夢に関してむしろ足で砂をかけるように、逃げながら今の仕事を選んだ。
私にとって夢を語る場所は終わったのだと。私はいろんな有名人とは違う。一般人だ。自分が一番悔しいことをわかっていながら、私はその可能性を自分自身の手で終わらせた。
誰もがシンデレラストーリーを描けるわけじゃない。それこそ、推したちのように。

 

よく「なぜ推しを推してるのですか」という質問を受けることがある。
色々理由があるのだが私は「好きなことを仕事にできてるから」と答えることが時々ある。
私には、やりたかったけどできなかったことを彼女たちはやっている。それは憎しみでも悔しさでもなく、素直に尊敬の対象なのだ。

 

 

そんな私に奇跡のようなチャンスが回ってきたのがスポナビブログ終了直後だった。

「ここが私の墓場」は、プロライターを諦めるまでの私の負の感情を書き残しておくための記事になるはずだった。しかし、その1を上げてしばらくしたあとに今回の話をもらった。
その2がしばらく上がらなかったのは忙しさもあったが、記事のオチをつけられない状態になったからだった。
その日から、情報かん口令を敷き、近親者にも年明けまで発表せず、秘密裏にこのプロジェクトは進行した。そして、1月15日、プロライター「今田望未」がデビューする運びになった。

 

デビューまでにプロライターの現状と仕事のこれから、公人としての色々を編集の方に教えていただいた。結論としては、やはり今のスタイルのまま行くのがよさそうだということ。ライターは主業にできない。

そして、私の民間人としての立場を守っていただくことになった。

プロフィールから私の個人情報は全く取得できないようになっている。
編集さんからは「個人が分かりにくいと親しみにくくなる、思っている以上に『○○さんの記事だから読む/読まない』はある」と意見もいただいたが、一度身バレしかけた過去もあって最終的に私の意見を尊重していただくことになった。

 

プロライターになっても、私のスタンスは変わっていない。
変わったのは肩書と少々責任が重くなったことくらいだ。

「これからNumberで書く記事はNumberの看板を背負ってますからね、半端なことは書けないですよ」

身震いがした。
しかし気持ちいい響きだった。

 

今まで私は、テニス関連の活動で一切のお金を得てこなかった(ラジオ出演も含む)。

それは私が「公人ではなく、一般人です」「文責は私にありますが、民間人のブログなのでほどほどに」と、最悪趣味だから逃げられる言い訳の材料になっていた。

 

しかしもう逃げられない。Numberと今田望未という屋号を背負った。この仕事を引き受けた地点で正々堂々、これからはテニスと執筆活動に立ち向かっていく覚悟を決めてきた。

その代わり、私は決してたどり着くことができないはずだった「趣味を仕事にする」「好きなことを仕事にする」といいう場所にたどり着いた。

1月15日、私は一つの頂点を迎えた。

だが、ある意味では新しい頂点を目指す旅が始まった日でもある。

twosetdownという名前が消え「今田望未」が日本中の「テニスファンではない読者」に浸透するまでの、長い、長い新章が始まった。

 

 

 

 

最初の一文には仕込みが隠されている。

"Numberは、私の憧れの雑誌「だった」"

憧れの雑誌だったのはこないだまで。
今は、憧れでもなんでもない。
れっきとした「仕事場」になったのだから。

今年の全豪ダブルス、誰が勝っても面白い

こんばんは。

錦織戦を書いてくれ!という要望は分かっています。

ツイッターにも書きましたが現在タスクが玉突き状態で、明日早速準決勝が始まってしまうためまずこのダブルスの記事を優先することにしました。

 

今回の全豪ダブルス、大変なことになっています。

(ATPについて)総合的なブログを目指していこうということで、ツイッターでも男子ダブルスの情報が以前よりたくさん発信されていると思います。

日本は、休日テニスでのダブルスプレー率も高く、ダブルス人気が世界的に見ても非常に高い地域です。

しかしまだまだダブルス人気は伸びるはず。そこで当ブログでも積極的に取り上げていきます。

 

さて、男子ダブルスでは快進撃が起きています。

すでにご存じだと思いますが日本のベン・マクラクランがGS初出場でなんとベスト4に進出しています。

この結果、ベンは全豪後のランキングでこれまで日本人最高位だったトーマス嶋田さん(ダブルス通算3勝)の40位を上回ることが決定的になりました!

ベンが国籍を変更したのは昨年中ごろでしたが、そこからデ杯出場、楽天OP優勝、そして今回の全豪4強と飛躍的な成長を遂げています。

デ杯で見た地点で才能は感じました。ただあの時は相手がメロ/ソアレスだったこともあり、やや緊張からか簡単なミスを打ってしまいその差で敗れてしまいました。

楽天ではマレー/ソアレス相手に完璧なダブルスを披露し優勝。あれから3ヶ月。いきなりの大舞台でまた結果を出しました。

 

 

 

そんなベンの今後の対戦相手が気になる!どんな選手なんだろう!と話題になっていると思うのですが(不倫のニュースとかやってる場合じゃないと思うんですよ)

実は今回かなり面白くなっています。正直どのペアが優勝してもドラマチックです。

 

まず、準決勝のカードを確認してみましょう。

トップハーフ

MCA 11:00~(日本時間)

マクラクラン(JPN)/シュトルフ(GER)×[7]マラック(AUT)/パビッチ(CRO)

ボトムハーフ

RLA 17:30~チリッチ×エドムンド戦のあと2試合目

[11]カバル(COL)/ファラー(COL)×[6]ブライアン(USA)/ブライアン(USA)

 

キーワードは

「初出場の快進撃VS今期無敗の二人VS悲願のGS優勝へVS王者の復活」

です。それでは各ペアごとに見ていきましょう。

 

マクラクラン(JPN)/シュトルフ(GER)

シュトルフはそこまでダブルスが得意な選手というわけではなく、ダブルスランキングも157位です。正直ダブルスランキングは100位以下は全くあてにならないので、参考値程度です(少なくともダブルス専門ではないことは分かる)

サーブは速く、比較的パワー寄りのテニスをするという印象です。

ペア結成も初めて、結成に何か大きな理由があったわけではないと思いますが、大会のふたをあけると快進撃。なんと第9シードのロペス/ロペス、そして昨日第1シードのクボット/メロを破りました。

クボット/メロは昨年のWB優勝ペアで、最終戦準優勝。2017年にこちらも飛躍したコンチネン/ピアースとの争いを制して初の年間1位ペアになりました。

内容も非常に締まったゲームでどちらが勝ってもおかしくない中、ファイナルセットのタイブレークでマクラクラン/シュトルフはすべてミニキープ。ミニブレーク1つの差で勝利を手にしました。

 

[7]マラック(AUT)/パビッチ(CRO)

こちらのペアは昨年初めて最終戦に出場したばかりですが、今最も勢いがあります。

なんと1週目のドーハ、2週目のオークランドで連続優勝。ベスト4までの勝ち上がりも含めて現在開幕から12連勝中です。

ダブルスはレギュラーツアーではノーアド、マッチタイブレークなど圧倒的な実力がないと運の要素で負けることもあるので、12連勝は驚異的です。勝ち方も接戦が続いていて、勝負強さが光っています。

あと2つ勝って14連勝となればダブルスでもめったにない3週連続優勝をGS絡みで達成することになります。

 

まず、マクラクラン/シュトルフはこのペアの連勝を止めないと次に進めません。

 

反対のボトムハーフはダブルスの実力者が揃いました。

 

[11]カバル(COL)/ファラー(COL)

このペアはもう長く、今年で6年目です。

2013年から幾度となくデ杯で日本と対戦のあるペアのため、日本でもなじみが深いでしょう。

2013年入れ替え戦の時は私も現地観戦したのですが「なぜこのペアがランキング50位(当時)なのだろう」と思うくらいキレッキレでした。当時の日本ダブルスはまだ勝負にならなかったため、余計その印象が強かったです。

ダブルスプレイヤーとして重要なコース選択、配球、ボレーの技術、ミスの少なさ、非常にそつのないプレーをするペアです。

そしてこのペアは悲劇の歴史が続いています。

2013年に見つけた私は勝手に静かに応援していたのですが、なんと2014年からダブルスのチームランキングが11位、11位、10位、12位となっています。常にあと一歩のところでロンドン行きを逃し続けています。

5年目の今年こそいいかげんロンドンに行ってほしいという思いの強いこのペアですが、ではなぜロンドンに行けない結果が続いていたのか?というと、答えがGSでした。

実はこのペア、昨年全仏で4強に進むまでなんと5年間、ベスト8すら一回もなかったという極端にGSが苦手なペアでした。

GSさえ勝てれば…というところを全仏4強で達成した2017年でしたが、けがにより後半戦で全くポイントを稼げず結局同じ位置に。今年こそはという思いは人一倍強いはずです。

今日のQFでは地元の英雄ヒューイットと、この大会で引退することを発表したグロスとのやりにくい試合でしたが、きっちりストレート勝ち。今回はドロー運にも恵まれているとはいえ内容が非常にいいです。

 

[6]ブライアン(USA)/ブライアン(USA)

言わずと知れたブライアン兄弟ですが「えっ、第6シードだったの」と驚かれた方もいたのではないでしょうか。

ブライアン兄弟は2012年から13年にかけて五輪を含めて5連勝し「ブライアンズ・スラム」を達成しました。そして2014年には全米OPで優勝し、GS16勝、そしてダブルス史上初の通算100勝を達成しました。

しかし、この優勝以降GSでは実に12大会連続で優勝から遠ざかっており、2015年以降はすべて別のペアに年間1位を取られるなど、明らかな衰えが見えてきています。

もちろんこの二人は39歳で春には40歳。当然といえば当然なのですが、シングルスでフェデラーナダルがさらに記録を伸ばし始めた今、ブライアン兄弟にももうひと頑張りを期待したいところです。

 

ということで改めて復唱すると

「初出場の快進撃VS今期無敗の二人VS悲願のGS優勝へVS王者の復活」

果たしてどのペアが栄冠を取るのか。明日木曜日が準決勝、土曜日が決勝となります。

【ドロー解説】2018全豪OPの展望

ナダル

 

[1]ナダル

エストレラ=ブルゴス

ジャリー

L・マイヤー

(PR)ミルマン

チョリッチ

ロレンツィ

[28]ジュムール

[24]シュワルツマン

ラジョビッチ

予選勝者

予選勝者

ドルゴポロフ

(PR)ハイダー=マウラー

エブデン

[16]イズナー

 

[10]カレノ=ブスタ

(WC)キュブラー

シモン

コピル

予選勝者

ジャズーリ

デルボニス

[23]ミュラー

[31]クエバス

ユージニー

セラ

ハリソン

予選勝者

ソウザ

ルー

[6]チリッチ

 

史上初のダブルグランドスラム(すべての大会で2回以上優勝)がかかっている昨年準優勝の[1]ナダルはいいドローを引きました。 1、2回戦はひざのけがが悪化しなければ問題なく通過できるでしょう。エキシビジョンでは元気に動いており、3回戦までしっかり体力温存することが上位進出のカギです。

3回戦には全豪シリーズ好調のミルマンと、2度敗れたことがあるチョリッチがいてややトリッキー。4回戦は順当に[16]イズナーか、好調のドルゴポロフが来ると面白いでしょうか。

 

逆のブロックは激戦。2010年ベスト4以外では全豪で8強が1度もない[6]チリッチは、今期の前哨戦もシモンに敗れていて例年通りのスロースタートが予想されます。そのシモンは2回戦で[10]カレノ=ブスタと当たる組み合わせ。カレノ=ブスタも前哨戦で初戦敗退していて、本命不在です。意外と[31]クエバスあたりがかっさらうのでは。

 

ナダルとしてはベスト4まで視界良好。自分自身に問題がなければ序盤~中盤は難なく勝ち抜けそうです。

 

 

②ディミトロフ山

 

[3]ディミトロフ

予選勝者

予選勝者

予選勝者

バグダディス

予選勝者

フェレール

[30]ルブレフ

[17]キリオス

ドゥトラ・シルバ

トロイツキ

(WC)ボルト

チチパス

シャポバロフ

予選勝者

[15]ツォンガ

 

[11]アンダーソン

エドムンド

エルベール

イストミン

G・メルツァー

バシラシビリ

予選勝者

[18]プイユ

[27]コールシュライバー

(PR)西岡良仁

セッピ

(WC)Moutet

カルロビッチ

ジェレ

杉田祐一

[8]ソック

 

 

今シーズンはランキングの維持が求められる[3]ディミトロフですが、なんと2戦連続予選勝者が確定。しっかりものにしたいところです。3回戦はタフで、ドーハ準優勝の[30]ルブレフ、前哨戦の内容がいいフェレール、全豪ではホームの声援を受けるバグダディスがいて一気にレベルが上がります。

さらに4回戦も厳しいです。ブリスベンで敗れた絶好調の[17]キリオスに[15]ツォンガ、さらにnextgen期待の新星シャポバロフとチチパスがいます。シャポバロフとチチパスのカードは1回戦屈指の好カードでしょう。

共倒れになる可能性もありますが、ここを勝ち上がってきた選手はディミトロフにとっては脅威になるでしょう。

[8]ソックはパリ優勝、最終戦4強で初のGS一桁シード。しばらくはこの恩恵を得られます。もらったチャンスを生かして次はGSでも上位進出を果たしたいところ。

初戦は難敵杉田祐一です。足のけががあったとはいえ前哨戦のホップマンカップで敗れたばかり。2回戦にはランキングを落としたとはいえカルロビッチがいます。3回戦の[26]コールシュライバーはピリッとしません。ここはATPツアー本戦の復帰戦となる(PR)西岡良仁が一泡吹かせる展開に期待です。錦織の出場はありませんが、3回戦で西岡対杉田の日本人対決が見られることを期待しましょう。

昨年全豪オープンを大きく沸かせたイストミンはこのブロック。[11]アンダーソンと2回戦で対戦します。

 

 

③ズベレフ山

[5]ティーム

ペジャ

ジョンソン

予選勝者

予選勝者

ベセリ

クライノビッチ

[26]マナリノ

[20]バウティスタ=アグー

ベルダスコ

スティーブ

Marterer

シャルディー

Sandgren

(PR)べランキス

[9]ワウリンカ

 

[14]ジョコビッチ

ヤング

モンフィス

予選勝者

(WC)スミチェク

(WC)Popyrin

ドナルドソン

[21]ラモス=ビノラス

[32]M・ズベレフ

チョン

(WC)コキナキス

メドベデフ

ククシュキン

Gojowczyk

ファビアーノ

[4]A・ズベレフ

 

GSでは初のズベレフ山ですが、その[4]A・ズベレフは非常にタフなドローになりました。

2回戦のククシュキン、Gojowczykはどちらも一発のあるタイプで、特にGojowczykは今週ソックを倒したばかり。さらに3回戦では昨年マレーに勝ってベスト8の兄の[32]ミーシャが待ち構えているだけでなく、nextgenファイナル優勝で前哨戦も調子がよさそうなチョン、地元の大会で気合の入る(WC)コキナキス、そして昨日ツアー初優勝を果たしたばかりのメドベデフがいます。

 そして4回戦はやはりこの男でしょう。ついに戻ってきた全豪優勝6回の絶対王者[14]ジョコビッチ。相変わらずけがの状態は気になりますし、100%の治癒ではないと本人からコメントが来ていますが、それでも出てくるということは自信があるということ。さらにエキシビジョンではいい結果が出ていて、対戦となれば全豪の展開を決めかねないビッグマッチになることが期待されます。

ジョコビッチのポイントとなる試合は2回戦で対戦が想定されるモンフィス。この結果である程度状態が把握できそうです。モンフィス、そして初戦のヤングは不運でしょう…

[21]ラモス=ビノラスは前哨戦でもパッとしないため厳しいか。

 

 

フェデラー

 

[7]ゴファン

予選勝者

ベネトー

ダニエル太郎

ドンスコイ

F・マイヤー

ゼバジョス

[25]フォニーニ

[19]ベルディヒ

(WC)デミナール

グラノジェルス

ペール

ハチャノフ

予選勝者

ティアフォー

[12]デルポトロ

 

[13]クエリー

ロペス

アルボット

フクソビクス

キッカー

トンプソン

ラコ

[22]ラオニッチ

[29]ガスケ

カブチッチ

予選勝者

R・ハース

(WC)クォン

シュトルフ

ベデネ

[2]フェデラー

 

なんと9年半ぶりのGS連覇を狙う[2]フェデラーは今回も優勝候補筆頭。ややタフなドローとなりました。

2回戦で当たるかもしれない(WC)クォンは伸び盛り。実は昨年の3月に慶応チャレンジャーでブレイクする前の杉田祐一と対戦しており、チャンピオンシップポイントまで行ったほどの力の持ち主。今回は以前西岡が優勝したアジア太平洋ワイルドカード大会で優勝してのWC獲得。ランキングもトップ100入りが見えてくる位置まで来ており、今後が楽しみな選手です。

3回戦は[29]ガスケとの対戦が濃厚だが、16勝2敗と大きくリードし、2敗ともクレーでの対戦とあり、昨年のホップマンカップ同様弾みをつける試合にしたい。

4回戦はパワーテニスとの対戦に。[13]クエリー、[22]ラオニッチに、F・ロペスもいます。このブロックは一発があるタイプの選手が多く、フェデラーが対ビッグサーバーに対してどのような対応をしていくかで調子が分かりそうなラウンドです。またラオニッチはブリスベンでの負けを払しょくしたいところ。正直その後の結果を見るとデミナールに敗れたのは事故みたいな感じなので、しっかり序盤戦を勝ち抜いていきたい。サーブ以上に、3球目以降のストロークがカギと見ます。

昨年大躍進を遂げた[7]ゴファンは中盤戦に苦しいカードが続きます。3回戦は調子が上向きの[25]フォニーニ、さらに4回戦ではあの[10]デルポトロが待っています。

デルポトロはオークランドでの疲労からどこまで回復できているかがポイント。8人ずつのブロックでは最も厳しいブロックに入っていて、調子が悪ければ普通に敗れる可能性もあります。初戦のティアフォーも一癖ありますが、2回戦にはnextgenのハチャノフ、さらに3回戦には前哨戦で最も名前を売った期待の新鋭(WC)デミナールがいます。ボトムハーフで火曜スタートになったため、中2日で[19]ベルディヒと対戦します。

デミナールですが、すでにリターン技術はトップ選手のそれです。今はディフェンシブで拾うテニスになっていてオフェンスは稀ですが、ベルディヒが攻略できなければミスの嵐になりデミナールがまた大金星を挙げる可能性も十分にあります。

ベルディヒ、デミナールの勝者はデミナールに敗れたペールがいます。調子は良さそうで、とにかく厳しいブロックです。

日本のダニエル太郎は初戦ベネトーと。正直初戦で当たる選手の中では楽な相手です。ベネトーは100位以下に落ちていましたが昨年のパリ4強で復活。平均的な実力では五分という見方です。

QFはフェデラーとしては一度敗れたとはいえゴファンが上がってくる方が楽か。デルポトロが上がってくると全米でのことがあるので嫌でしょう。

 

そういえば、フェデラーは昨年5敗ですが、敗れた相手のうちT・ハースは不出場、残りの4人はゴファンデルポトロドンスコイが同じクォーター、ズベレフが同じハーフなんですね…

 

 

優勝予想

 

優勝 フェデラー

準優勝 ナダル

ベスト4 キリオス ジョコビッチ

ベスト8 クエバス アンダーソン ティーム ゴファン

 

当てに行きました、はい。

チリッチは現状期待しにくく、カレノ=ブスタが収める気もしますがクエバスに賭けました。そんな感じなのでナダルベスト4は堅いです。

第2クォーターは荒れると予想してます。まず、キリオス大躍進。もともと全豪8強の経験もあり地元補正はかかるはずの選手です。ツォンガのところは激戦の結果共倒れと予想。ソックは今の状態では厳しくアンダーソンが手堅く抑えます。

QFではキリオスが場を支配して勝つものの、SFでは動じないナダルがきっちりキリオスに勝って決勝進出。でもいい試合になりそう。

ボトムハーフは迷いましたがジョコビッチが駆け上がると予想します。ワウリンカは調整状況からさすがに厳しいと判断。ティームが勝ちますが、QFではジョコビッチが勝つ予想。

SFでは完璧な状態のフェデラーと、100%とは言い難いジョコビッチの対戦でフェデラーが今までとは違った展開を見せて勝つと予想。QFは迷ったんですがデルポの疲労を考慮しゴファンに。デルポは決勝であの負け方をして疲れてるあとにタフドロー過ぎる…

決勝は2年連続同一カードですが、対ナダル攻略法を見い出し、5連勝中の勢いそのままにフェデラー前人未到のGS20勝目を達成という予想でした。

なんかGS20勝目の相手はBIG4だと思うんです、根拠のない予想ですけど。だってフェデラーだし。

 

というわけで楽しみな全豪が幕を開けます。

大会中にスポナビブログは終わってしまいますが、引き続きご愛顧いただければと思います。

錦織圭、ついに復帰大会が決まる!!!

少し記事公開が遅くなってしまいましたが、錦織圭の復帰大会が発表されました!

あえてタイトルを全豪欠場にしなかったのは、ブリスベンシドニーを欠場した地点であまり期待していなかったからです。それよりも、多くの人にとって復帰大会がほぼ確定的になったニュースのほうが喜びと、そして何より驚きをもって迎えられたと思うからです。

まずは事実を並べますが、錦織圭から全豪欠場のアナウンスがありました。また、日を別にしてマレーからも全豪欠場のアナウンスがありました。

この二人に関しては、公式戦の前哨戦に全く出なかった地点で全豪に出る可能性は薄いかなと思っていました。

マレーについては11月にフェデラーとエキシビジョンができているので一番早く戻ってこれそうな雰囲気もありましたが、1月にムバダラでアグーに大敗しており、まだ本調子とは言えないのでしょう。

実際マレーにしても錦織にしても、出れば実は初戦突破くらいはできる状態にはあるんじゃないかなと思います。ただGSは5セット。付け焼刃な状態で出る大会でもないし、目指す目標が高い位置である以上、今の状態で出るのはいたずらに回復を遅らせるだけなので、双方とも賢明な判断だと思います。

現在メルボルンで練習をしているナダル、ワウリンカ、ジョコビッチも正直ふたを開けないとわからないというのが現状で、3人ともまだエキシビジョン以上のグレードで今期試合をしていない状態です。ボールは打てても公式戦を戦うには不十分という可能性は考えられ、全豪1回戦が終わるまでは予断を許さない状況です。

 

という錦織の現状で、新たに出場大会が発表されました。 それがシーズン4週目、ニューポートビーチチャレンジャーと、シーズン5週目、ダラスチャレンジャーへの出場です。

ATP公式特集記事

私はこのニュース、以下の3点で驚きました。

 

①チャレンジャーからの復帰

ここ最近トップ10を経験した選手の復帰は、ほとんどPRやWCを使った(もしくはランク落ちてもDAできているので普通に)ATP250~500クラスの大会の出場がほとんどです。

つまり、いきなりトップ100以内の選手と立て続けに戦っても、実戦慣れ、調整が可能という判断をしているということです。

初戦負けするリスクもありますが、多くの選手はこのパターンで復帰をしています。

錦織が今回出場する4週目は全豪2週目で、中堅選手のごくわずかなエントリーがあるのみで、確認しているエントリーリストでは(1/8 12:00現在)最高は79位のティアフォー、最終DAは193位のアンドレオッシです。

正直錦織がいい時の6割くらいの状態でも難なく優勝してもおかしくない中、非常に慎重な判断をしているということです。

また5週目もデ杯ウィークということで多くの選手が世界各地に出払っている状態で、エントリーリストを確認できていませんが(今週発表?)とても厳しいフィールドになるとは思えません。

もちろん200位付近の選手でも今シーズン早速大物食いが続いていますので油断は禁物ですが、錦織はまず昨年負けが込んだことも含めて、勝つイメージをつけたいのだなと私は考えています。

2週連続優勝できればいいですが後の負担を考えても微妙なところで、どちらか一つで優勝を目指すというのが現実的かなと思います。

 

②デ杯回避

実は私は全豪を飛ばしてデ杯から出る可能性も考えていました。

年が明ける前くらいでは

ブリスベンorシドニーから復帰 40%

全豪ぶっつけ 5%

デ杯から復帰 10%

ニューヨークから復帰 45%

これくらいで見積もっていました。

デ杯は錦織が好きな大会の一つで、本人のやる気も十分です。これまでもキャリアのターニングポイントになることも多く、5セットマッチであることを除けば時期的にも条件はいいと思っていました。

今回デ杯をスキップして裏のチャレンジャーに出たのは、日本チームが錦織抜きでも勝てる可能性を十分に秘めるチームになったことと、デ杯が好きな大会だからこそそれをスキップしてでも自分の復帰を最優先に考える、この考えがあったからでしょう。

 

③復帰時期の(好意的な)前倒し

①②の要素は納得できるものですが、そもそもニューヨークから復帰すると考えていた人がほとんどではないでしょうか。実際、適用されるかどうかはルールブックをまじめに読む必要がありますが、もう少し復帰を待てばプロテクトランキングを使える可能性があったようです。

このあと錦織のランキングは大会に出なければ落ちていきますが、今のところMSのエントリーが怪しくなってくるのは5月クレーMS付近、GSのエントリーが怪しくなってくるのは完全にランキングポイントがなくなる全米になります。それまでに大会に出てポイントを稼げば問題はないわけですが、後半戦は最悪WCをうまく使って大会に出ることになるかもしれません(復帰直後のデルポトロをイメージするとわかりやすいかと思います)。

ATPの規定では、50位以上の選手のチャレンジャー出場は場を荒らしてしまうため原則禁止となっていますが、ATPに許可を得たうえでWCをもらって出場することはできます。

年間WC発行枚数は制限があり、そのうちの貴重な2枚を使い復帰スケジュールを前倒しで進めるということは、復帰に相当な自信がなければできないと私は考えています。そうでなければニューヨークからの復帰か、ニューヨークを蹴ってその週のチャレンジャーに出ればいいからです。

今回の一報を見て、錦織の状態は着実に復帰に近づいており、よほどの再発がなければおよそ2週間後には公式戦に出る錦織圭が見れそうだと思っています。

もちろん全豪ロスはありますが、それ以上に具体的な復帰のビジョン、イメージが見えた今回の一報、私は手放しで喜びたいと思っています。