two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

前を向け!よく戦った!!収穫と課題を胸に入れ替え戦へ(2015デビスカップ1R)

3/6 現地13:00~(日本時間翌日6:00~)

Davis Cup by BNP Paribas

1R Japan vs Canada(Home,[8])

Rubber 1

Tatsuma Ito 2-6 1-6 2-6 Milos Raonic

Rubber 2

Kei Nishikori 6-4 7-6 6-3 Vasek Pospisil

Rubber 3

Go Soeda/Yasutaka Uchiyama 5-7 6-2 3-6 6-3 3-6 Daniel Nestor/Vasek Pospisil

Rubber 4

Kei Nishikori 3-6 6-3 6-4 2-6 6-4 Milos Raonic

Rubber 5

Go Soeda 5-7 3-6 4-6 Vasek Pospisil

Japan 2-3 Canada

悔しい。

しかし前を向いていける敗戦です。

後がなくなった日本。対してカナダは万全の態勢。どう見ても日本が厳しい状況でした。

そんな中送り込まれた錦織はよくやってくれました。

高速サーフェスと言われているカナダのバンクーバーサンダーバードアリーナ。苦戦は予想されましたし敗戦も十分にありうると事前評したように、タイトな5セットになりました。

私は5セット目の最後2ゲームしか見れていませんのでスタッツ評価しかできませんが、ブリスベンで3セット30本以上エースを叩き込まれた錦織ですが今日は5セットで29。これは抑えたといってもいいのではないでしょうか。1セット平均6本はラオニッチの普通くらいのスタッツです。これくらい取られるのは仕様なので。

1stもラオニッチは60%程度をうろちょろ。70近くまで入ってくると厳しいのですが4ブレークのスタッツが示す通り今日のラオニッチのサーブはいつもに比べて脅威ではなかったということです。

ただ結局この二人は五分の勝負になるということです。タフな5セットはこれで2回目。ストレート勝ちは7度の対戦でマドリードのタイブレ2本という接近戦のみ。いいライバル関係をさらに強める試合になりました。

試合を最終的に決めたのもファイナルセット第9ゲームの30-40からのラオニッチのダブルフォルト。ここが来るまでどちらに試合が転ぶかわからないゲームでした。

錦織はデ杯に出ないほうがという議論は絶えないですし、今回は「結果上」日本が残り3敗したので一層その意見は強まるでしょうが、私はこのラオニッチ戦を取り切ったことが錦織にとって大きな収穫になると思いました。

ラオニッチの最後の対戦がブリスベンのまま公式戦を迎えていたら、それが高いラウンドでの大一番なら心理的に嫌だったでしょう(錦織はそこまででもないかもしれませんが、ラオニッチは少なくともポジティブに入れたはずです)。

アウェーでの洗礼を乗り切ったことも大きいです。

またそんな先のことを考えるなと鼻で笑われそうですが、ここでラオニッチが40p取れなかったことで今後QFに進んでどんどん加点できるラオニッチのランキングポイントをそぎ落とした意味もあります。マレーに今週抜かれたのはなぜかを考えてみましょう。こんなところで去年のQFの成績が効いてくるのです。当面ランキング争いをするラオニッチにとって、こんな些細な一勝があとで運命を変える可能性は十分にあります。錦織にとって目に見えないポイントだからといって捨てていいなんてことはありません。

一方その他の日本勢は課題と収穫を持ち帰るデ杯になりました。

ダブルスの健闘については前記事で書きましたが、結果的にあそこで勝てなかったことが勝敗を分ける形になりました。

やはりデ杯はダブルス。しかし錦織を使わないペアであそこまで善戦できたことは今後に向けて好材料です。

当たり前に錦織3連投は避けたいところ。錦織2勝+ダブルスという勝ちパターンが作れれば負担なく錦織がシングルスに集中することができ、今後勝って行ける可能性を秘めています。

あといま日本が戦っているフィールドは戦後以降では最高の場所だということを忘れてはいけません。

もちろん錦織ありきの話ですが、仮に錦織不在でもアジアゾーン1を勝ち抜き入れ替え戦まで進める力があるのが今の日本チーム。さらに若手が加わってくれれば1回戦をコンスタントに勝てるチームになれるはずです。

そうして1Rを勝てるようになればシード国になれるので、より楽に1Rを勝てるようになります(少なくとも、1Rからカナダやフランスといった国を避けれるようになります)。

2013年デ杯入れ替え戦で正規ペアのカバル/ファラーに伊藤/杉田が完敗し、ファリャ戦で添田が勝ってなんとかワールドグループに進んだ、あの試合を現地観戦した私にとっては大きく進歩しているようにしか見えません。いやほんと、ポジティブにしか考えられないです。怖いくらいに。

ナンバー2の育成も課題ですね。早く西岡が上がってこないかなあ。デルレイでの試合を見る限りトップ100は近いです。今シーズン中にランキングを上げて、とりあえず入れ替え戦はデ杯チームに帯同、できればデッドラバーで試合をしてほしいですね。

さて、入れ替え戦でスペインと当たるのでは?という話が出ていますので少しルールの確認です。

デ杯のルールブック2015年版を見ると入れ替え戦の「draw and seeds」のところには

「Eight nations shall be seeded. Their selecton shall be made by the Davis Cup Committee in accordance with most recent Davis Cup Nations Ranking.」となっていて、ざっくり訳すと「国別ランキング順にシードを決める」となっています。入れ替え戦と言っていますが「World Group Play-Off」を日本語に訳すとそうなっちゃうだけで、入れ替え戦じゃなくて敗退国同士の潰しあいになることもその逆もあります。2013年では日本×コロンビアがまさにそれ、お互いにゾーン1を勝ち上がった国同士の対戦になっています。

この国別ランキングとは4年間のデ杯の成績を合算しているもので、スペインは過去の実績から現在でも6位にいます。

現在入れ替え戦に回るorゾーン1で入れ替え戦に来そうな国をすべて並べると

チェコ(1位)

スイス(2位)

アルゼンチン(5位、vsブラジル第5ラバー次第)

スペイン(6位)

イタリア(7位)

アメリカ(8位)

日本(12位)

ドイツ(13位)

クロアチア(14位)

ブラジル(17位、vsアルゼンチン第5ラバー次第)

となり(よく見ると上位負けすぎ…)、デ杯のランキングは4年の成績の合算なのでレギュレーション的にガクッとポイントが落ちることはないので(レギュレーション読んで、全部説明は無理)正直資料さえあればランキング試算することもできるのですが、そんなことやってられるかということで結果を待ちたいと思います。

ドイツに抜かれるかどうかはポイント差的に微妙ですがクロアチアとは10%以上ポイントが離れているので大丈夫ではと思います。少なくともアルゼンチンが今日勝てばドイツクロアチアに抜かれても8番手確保なので入れ替え戦はこれらのシード国との対戦を避けられます。

ゾーン1の状況はそこまで見てませんので、入れ替え戦の対戦国が決まってから議論します。ウィンブルドン後です。

さてインディアンウェルズはもうすぐそこです。いよいよトップ選手が一堂に会し、しかもNHKさんが中継してくださる大会が近付いています。高まる観戦欲。正直デ杯の敗戦は痛くもかゆくもないです(勝ってたらそれはそれで狂喜乱舞していたのは目に見えていますが)。

明日以降はいろいろまた細かいことについて書いていこうと思っています。それでは。