全米SFプレビュー&気になるランキングの話
おはようございます。
この書き出し初めてではないだろうか。朝方更新にいい加減しないといけないですね。
さていよいよ朝6時から男子SFです。本来女子SFを木曜、男子SFを金曜にする予定でしたが雨で流れた影響で4試合を一気に金曜に行うことになりました。このため、2試合ともナイトセッションです。
第1試合
[1]ジョコビッチ×[9]チリッチ
対戦成績…ジョコビッチの13勝0敗
ジョコビッチ圧倒的有利でしょう。チリッチはフルセットの試合を2試合こなしており、なんとか4強に勝ち上がってきたという方が適切な表現でしょう。
ジョコビッチが通常の状態であれば対戦成績が示すように勝負はすぐつきますが、問題はそのジョコビッチです。
4R、QFとプレーに精彩を欠いています。フェデラー、ワウリンカどちらが上がってきてもタフな相手です。その相手を前にチリッチ戦でまたもたつくようであれば史上5人目の10度目のGS制覇はお預けになってしまうでしょう。勝つだけでなく、ジョコビッチはプレーを修正し、内容のある勝利をすることが求められます。
一方チリッチとしてはとにかく失うものはないので攻撃的に行くしかありません。
ウィンブルドンから全米までしっかり安定して成績を残し、ランキングの下降も最小限に抑えられそうです。もし勝てれば大きな勝利になります。
またジョコビッチはもし決勝に進めば、全豪ウィンブルドンで優勝、全仏も決勝に進んでおりすべてのGSで決勝進出となります。、これは69年に年間グランドスラムを達成したレーバー、そして全仏こそ取れなかったものの3タイトルを確保した06、07年のフェデラー、さらに2タイトル2準優勝を記録した09年にフェデラー次ぐ史上3人目、5度目の快挙達成となります。
2011年は全仏でSFで敗退しており自身初の記録への挑戦です。
2011年同様終盤戦に来てのガス欠が心配される中、得意の相手に力を見せられるか。注目です。
そして一方のチリッチにも記録がかかっています。
BIG4以外でGS決勝に2度進むのはワウリンカ以来で、その前にさかのぼると09、10年と全仏決勝に進んだソダーリンとなり、同一大会での2年連続決勝進出はこのソダーリン以来5年ぶりとなります。
優勝すればさらに様々な記録更新となります。それは決勝に進めば説明していこうと思います。
第2試合
[2]フェデラー×[9]ワウリンカ
対戦成績…フェデラーの16勝3敗
ワウリンカ覚醒後は毎回名勝負を繰り広げているスイス人対決。間違いなく約束された好カードです。
2014年全豪優勝後は14年モンテカルロでワウリンカがフェデラーから2度目の勝利。モンテカルロ初優勝のかかったフェデラーとの「特別な一戦(本人たち談)」を制して初のMS制覇を果たしました。
14年ウィンブルドンでは芝の王者フェデラーが躍動しストレート勝ち。そのまま決勝での名勝負へとつながります。
14年ファイナルSFではワウリンカが勝利まであと一歩のところまで迫ります。そこからフェデラーの執念で逆転勝ち。
15年ローマSFではQFでナダルを破ったワウリンカでしたがフェデラーが圧倒。
全仏ではワウリンカが返り討ちにしました。見事なテニスでフェデラーに勝利し、そのままツォンガ、ジョコビッチを破って優勝。2度目のGSを手にしました。
勝負のポイントとなってくるのは両者のストロークだと思います。
ワウリンカはヤング戦で一気に崩れるなど100%盤石とはいえない模様。それでもGSのワウリンカはさすがで、何と今年はすべてのGSで8強入りを決め、これはBIG4以外では2012、13年のフェレール以来です。その前はなんと01年のアガシまでさかのぼります。
精度のあるバックハンドをフェデラーのバックハンドにぶつけ、バックハンドのクロスラリーで主導権を握っていくことがフェデラーのサービスゲーム攻略の一つのカギになるのではないでしょうか。
対するフェデラーは25セット連続獲得中。サービスゲームを軸に理想的なテニスを展開し、新技「SABR」も今大会引き続きたびたび見せています。
SABRがどの場面で飛び出すかに注目ですがやはり試合を勝っていくためにはまずはサービスキープを安定させることです。
ワウリンカにラリーをさせると厳しい場面も出てきます。できる限りフリーポイントを増やしたいところ。
激戦を期待したいですが、あまり激戦だと決勝に力が残らないので何とも悩ましいところです。
手堅く予想はジョコビッチとフェデラーにします。どっちも負けるイメージがない。今のところは。
ただそう言っててなんと先ほどの女子のSFはセリーナとハレプ、第1第2シードが負けました。決勝はイタリアのビンチとペネッタになりました。
こんなこともあるのかというくらい衝撃でした。ハレプはペネッタに相性が悪かったようで何もできず敗れてしまいましたが、セリーナの方は1stセット取ってから逆転負け。しかも年間GSまであと2試合というところでした。
今年のセリーナをビンチが止めると大会前に聞いたら衝撃だったでしょう。男子も何があるかわかりません。
ちなみにペネッタとフォニーニは付き合ってるんですけど、よくお互いの陣営にも来るのでフォニーニがニューヨークに残っていたら決勝でもファミリーボックスに顔を出すかもしれないですね。SFは見てないので確認できませんでした。
さてランキング試算です。SF開始前でこのようになっています。
8位フェレールまでの順位は確定しており、チリッチの結果次第で9~14位は確定します。次戦勝つとチリッチは10位となり1年間のトップ10キープが確定します。
シモンはチリッチが敗戦した場合09年10月12日以来のトップ10復帰となります。今シーズン3回目のトップ10交代です。(1回目と2回目はチリッチとディミトロフ間の交代)
また錦織はすでにトップ10キープが確定しており、これで全米SF後に発表された9月7日付のランキングで8位に入って以来、54週連続でトップ10キープです。
私個人の意見ですがランキングはやや水物の要素もあるので、何かの大会で一発当ててそのポイントが失効した53週目に元あった順位をキープできているかというのが一つの目安だと考えています。トップ10キープも同じで、錦織の場合きっかけになった全米が失効したこのランキングでトップ10キープできているかが今後この位置に定着するために一つポイントになると考えていました。
1年経って8位から6位にジャンプアップ、すごいことです。そこにはもう1200pはないのですから。
さてレースランキングの方ですがこのようになっています。
現状のランキングと差があるのは上海、パリで決勝に進んでいるシモンとラオニッチです。
それ以外はほとんど現行のランキングと変わりありません。
当たり前ですがランキングとレースランキングは年末に収束するわけで、ほとんどの主要大会を終えた今一致するのは当たり前のことです。
なお表に記載を忘れましたが現状上位4人の通過が公式からアナウンスされています。フェデラーとワウリンカはここ数日で立て続けに発表がありました。
ベルディヒ、錦織、ナダルのグループはチリッチが優勝しない限り9位のガスケと1400pあるのでまあ抜かれることはないと思います。
チリッチ優勝で95%、チリッチが優勝しなければ99%通過ではないでしょうか。
一方のフェレールはやや不安です。下位との差も詰まってきておりチリッチ優勝なら一気に圏外に叩き落されます。
このへんの動向についてはバーゼル/バレンシアのエントリーリストが発表される週明けに特集記事を組みたいと思います。
ここにできればこれまでの各年のレース推移を合わせれたらと思っています。
今年はレース争いがつまらないと言われるかもしれませんが、去年が10年に一度かそれ以上の面白さだったのでまあ仕方ないと思います。
さあ、いよいよ準決勝が始まります。様々な面で注目が集まりますが、決勝に上がるのはどの二人でしょうか。