two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

いきなりのどでかいお年玉!今年は何かが違う!!(2019ブリスベン優勝)

ものすごい決勝戦でした。

今年最初の記事がこれで本当によかったです。

 

実は私はブリスベンは「年間の中で一番負けが痛くない」大会だと思っています。
年初のスタートダッシュを切ることは非常に重要ですが

・もはや250ではないタフドロー
・4シード以内だともっとやばい
・新年になると強さ関係がリセットされるため、あとあと振り返るとものすごいタフドローだったということがある
・少しでも調整不足だと負ける
・以上の不確定要素があるのに、最大250p

 と、かなり特殊な環境にあることが分かります。

むしろ重要になってくるのは「内容」です。
仮に敗れても内容があれば問題なし。そう思って2013年以降のブリスベンを振り返ってみると

2013→マレーに棄権負け、痛むまでは割とよかった
2014→ヒューイットに敗れたが、そのヒューイットはフェデラーに勝って優勝、相手が悪かった
2015→ラオニッチと大接戦、被ブレーク0なので特に心配なし
2016→全豪シリーズ大得意のトミッチが確変状態
2017→ディミトロフが強かった、その2週間後ディミトロフ全豪ベスト4

と、そんなにひどい負け方はしていないことが分かります。
事実私は(記録を残している記憶の限りでは)ブリスベン終了後ネガティブなことは書いていないと思います。
2~3試合で、割と内容が出ていて、今年は大丈夫そうという感触につながっていました。

 

それが今年はお釣りがくるくらい調子が良かったので、今年の期待度は言うまでもないです。
先に全豪の展望を話しますが、ドロー運次第ではベスト4、いやその上も狙いたいほどいい状態にあるのではと考えています。 

私の予想は基本置きに行くことが多いのは皆さんよく知っていると思いますが、その私がここまで具体的に期待感をあらわにしているということで、どれほど今が期待できる状態かが明らかだと思います。

 

さてそんなブリスベンですが、ディミトロフに勝った段階で話が変わりました。
この試合は実はこっそりフルマッチ見ていましたが、この段階でも今期行けるという例年通りの仕上がりを感じました。しかもディミトロフもよかったのにストレート勝ち。これで当初の目標の90%が達成されました。

あとの10%は何か?もちろん優勝しかありません。
この段階で残っていたのは

・ジュニア時代からの対戦相手、シャルディーに敗れる
・決勝で敗れて準優勝
・優勝

の3択しかないわけですから、もう優勝しかありません。

事実(これは楽天の時からそうでしたが)優勝できるテニスをしているわけですから、自然と期待が高まります。

 

決勝を振り返っていきましょう。

立ち上がりは堅さが出たように思います。リターンは返しているのに、簡単にストロークを力なくネットにかけました。最初のゲームで2本ネットミスをしたときにおやっと思いましたが、不安は的中しました。
2ゲーム目は0-40ではどうしようもありませんでした。ブレークされ、0-3となります。

しかし大きく離れているとは感じませんでした。次のゲームも厳しかったですが何とかキープすると、5ゲーム目でした。

ここまでの4ゲームを見て思ったのは、メドベデフが全くミスをしなかったことです。
特にバックハンド。錦織もいいボールを送っていますが、普通に互角で打ち合い、さらにあの勢いのあるフラットなボールです。これに錦織が手を焼きました。

バックハンドの打ち合いに利がないと見た錦織は動きました。5ゲーム目の最初のポイントでフォアに集め、ポイントを引き出します。

もう少し相手の出方をうかがうこともできたと思うのですが、やはり楽天の影がよぎったのだと思いました。一気にやられるよりは早めに動いていく。そんな狙いがうまくはまったような気がします。ストロークの主導権を奪い返すと、すぐさまブレークバック。

そして頼もしかったのは第7ゲームのBPでのシーンでした。

この試合、錦織のセカンドサーブリターンは確実にメドベデフのプレッシャーになっていました。リターンエースが何度も決まり、それはアドサイドでバックハンドストレートに決めるいわゆる「ワールドツアーファイナルズリターン」と私が呼んでいるものでした。

それを警戒する空気が出始めた中、フォアに回り込んで逆クロス。これが1年前の今頃、「もうフォアは打たないで」とみんなで実況していた選手のフォアハンドでしょうか。

1stセットはそのままサービスの安定感に乗って先取。ついに前回優勝したメンフィス以来の決勝第1セット先取となりました。

第2セットも押せ押せムードでしたが、あと1本が足りませんでした。
メドベデフが踏ん張りましたが、錦織にも2,3本もったいないミスがあったのでやはり取っておきたかった。この時間帯、メドベデフはかなりいらついていたので、取っていれば決まっていたのではないでしょうか。

メドベデフにも少しばらつきが出てきた中盤戦でしたが、それがぴたっとはまったのがブレークしたゲームでした。セットを取り返し、ファイナルセットに行きます。

しかし、これまでと違い先にセットを取ってから落としてのファイナルイン、内容も錦織の方がわずかですが上回っているように見えたので、あまり心配はありませんでした。

 

ファイナルセットも序盤はメドベデフの猛攻が続きました。やや錦織のサーブが効果的でなかったのも影響して、3ゲーム目には0-30とメドベデフがチャンスを掴みます。しかし錦織には今週絶好調のサーブがありました。難なくかわすと、次のゲームをブレーク。これで勝負ありでした。

最後に劇場もありましたが終わってみればBPを15回も握り5ブレーク。1st確率、1st2ndのpoints wonの3要素全てで上回るというスタッツで3年ぶりのツアー優勝を飾りました。

 

最後にも触れましたがサーブの内容がいい。エース本数は多くないですが、その分サービスポイントの確率は飛躍的に上昇。球種の織り交ぜもあり、相手に的を絞らせていないのが伝わってきました。

さらにフットワークも全開、シャルディーやメドベデフのサーブもリターンから崩壊させ、言うことなしです。

昨年の全米以降(NAFは残念でしたが)コンスタントにいいプレーが続いています。しばらく大きな失効もありません。稼げるだけ稼いで序盤戦リードを作りたいところです。
ブリスベン優勝者は全豪優勝できないというジンクスもありますが、今年の錦織は未知数。先ほども言いましたが何かやってくれそうな感じはかなりしています。匂いすぎるくらいです。それほど、テニスの状態はいいです。

 

 

メドベデフも強かったです。
昨シーズン大躍進を遂げた選手の中にメドベデフは挙がってきますが、2018年のディミトロフなどがそうであったように、なかなか2年続けることが難しい。この1年は彼らにとって簡単ではない1年になります。

若手なので、彼らは最終的にはもっと上に行くと思いますが、足踏みする選手も出てくると思っています。メドベデフもその一人では?と予想していました(私はチョリッチのほうが安定して結果を出すかなと思っています)。

今日は試合中盤からイラつくシーンも多かったですが、この辺は慣れでしょう。トップ選手に揉まれ続ければ、自然と対処法も身についてくると思います。
今週のパフォーマンスを見る限り、今シーズン中にトップ10に入っても何ら驚きはないです。
彼の場合、課題はクレーです。そこで躍進するようなら見えてくるでしょう。

 

さて開幕1週目はベルディヒ、ツォンガ、カルロビッチの復活、内山の大躍進、 フェデラー無双、そして錦織の優勝と話題の多かった1週間でした。今年は2週目にも上位選手がたくさん出てきますので目が離せません。

私も今年は本気出します。前半は(諸般の事情により)かなりきついですが、何かが起きそうな2019年、しっかりと追ってきたいと思います。