世界最速サーバーにも狙い通りの快勝!!次は意味のあるリベンジマッチ(2015ワシントンQF)
8/7 現地13:00~(日本時間翌日2:00~)
ATP500 Washington Citi Open
QF
[2]Kei Nishikori 6-4 6-4 Sam Groth
5セット連続最小限1ブレーク被ブレークなしの6-4。わかってはいてもこのプレーはそう簡単にはできません。今日も見事な勝利だったと言っていいでしょう。
ストロークにはミスが増え、正直第1セットは相当危なかった印象を受けます。
第1セットスタッツです。
ご覧の通り、ウィナー/UEの割合も悪くグロスはエース8本。正直第1セット終盤はどこでブレークされてもおかしくない感じがありました。
ただワンチャンスをものにした第1セット第7ゲームは見事でした。
最初数ゲームはグロスのサーブに合わせる時間といった感じでしたが、しっかりキープして食らいついていき、第5ゲームで少し感覚をつかみ始めた感じが出て、そして足元に返すリターンがうまく決まって0-40を作れたのがこのゲームでした。
やはり長身ビッグサーバーを崩すのはサーブ&ボレーに対する足元への返球です。こればかりはビッグサーバー側は対策しようにも体の構造上無理があります。
5本目のBPも足元のボレー処理をグロスがミス。絵にかいたようなビッグサーバー退治で虎の子の1ブレークをものにします。
第2セット第1ゲームは正直セカンドのリターンもありブレークしてほしい場面でした。
このあと錦織はやや気落ちしたのかサービスゲームに安定感を欠きますが、試合トータル4本のBPではいいサーブを決めて隙を与えませんでした。
一方リターンでは必要なゲームだけの勝負を心掛けた第5ゲームが素晴らしかったです。
オープニングでリターンしただけのボールをグロスがミスした後は一気にギアを上げた動きが見られました。
おそらく素材として使われているであろう15-30からのスーパーキャッチ2本。あれは他のゲームなら深く追わずグロスのウィナーにしていたプレーかもしれません。
このゲーム15-40とすると苦しいグロスはダブル1stをネットにかけDF。これで勝負は決まりました。
第8ゲーム、第10ゲームではグロスも最後の反撃に出てBPを取りますが、錦織は落ち着いていました。うまく退けて教科書通りのビッグサーバー撃破。これは決勝で想定されるイズナー戦に向けても速いサーフェスが多い北米ハードコートシリーズに向けても大きな収穫です。
さて次戦はチリッチです。あの全米決勝以来の再戦となります。
チリッチ戦のポイントはチリッチの跳ねるセカンドサーブです。これを攻略しブレークチャンスを掴んでいくことが勝利へのカギです。
錦織の今大会のリターンについてはそこそこという感じでしょうか。今日のグロスのセカンドサーブのイメージがあるととっつきやすいのでしょうか(軌道が違うから何とも言えない)
あとチリッチ×ズベレフ戦は急いでフルマッチを見ましたが、凡戦という印象でした。よくもなく悪くもなく。ミスも普通に出てますが時折いいプレーも見せているという感じです。マイヤー戦のようにできれば勝てるでしょうしダックワース戦のようにもたつくと普通にやられます。
ズベレフは足を痛めている中第1第2セットともに1ブレークダウンから5-5に持っていくことができました。
チリッチにも悪い時間帯があった中、もう少し確実性を上げて攻めたててリードを奪えばチャンスはあったかなあと思いました。
勝率は半分よりはあると思いますが、似たサーフェスの全米で過去1勝2敗。それ以外のハードコートでは3勝1敗(チェンナイ、ブリスベン、メンフィスで勝利、苦手IWで敗戦)。難しい戦いにはなるのではないでしょうか。
チリッチもウィンブルドン8強とじわりじわり復調してきています。そろそろタイトルも欲しい時期。強敵には違いありません。
ただこの試合には大きな要素がたくさん詰まっています。
やはり全米決勝でのリベンジを果たすこと。ATP500のSFですがリターンマッチで負けてはいけません。
さらに言うとこの試合に勝つと4位確定、さらにシンシナティの第4シードを確定することができます。
これは某所サイトですと優勝が4位条件になっていますが、私がいろいろチェックしたところ、間違いなく4位になることを確認しました。(MTFのランキングに詳しい方の試算との一致、計算式の一致も確認)その理由については次記事です。すぐに取り掛かります。
内容以上にビッグゲームです。明日だけは何としても取ってほしいところです。