two-set-down新章

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スポーツナビブログ「とらきちの悠々自適生活」 「two-set-down」に続く3代目のブログ。two-set-downのブログの記事の置き場も兼ねる。

西岡ベスト8の快挙!ラオニッチは元気のない敗戦【ナダル敗戦錦織3位の可能性わずかにあり、コメントにて追記】

こんばんは。

やってくれました、デルレイビーチで予選を勝ち上がった19歳の西岡良仁、初戦でセイスリンに自身初のツアー勝利を挙げた勢いそのままに今度はマトセビッチを圧倒。もちろん自身初のツアーベスト8進出を決めました!!

まずセイスリン戦から振り返ると、セイスリンは現在ランキング下降中。確かにツアーを年間通して戦っている実力者ですがひょっとしたらひょっとするのでは?と思っていました。

西岡は2013年に全日本で準優勝になった地点では500位台。そこからチャレンジャーで活躍し100位台に上げ、現在も順調にランキングが上昇中です。ストロークならすでにトップ100以内の力があると言っていいでしょう。

170cmしかない身長から繰り出すサーブはどうしてもウィークポイントになってしまいますがストロークでカバー。セイスリンを振り切りました。

しかしマトセビッチ戦はかなり厳しいという予想でした。というのもこのマトセビッチ、初戦で破った相手はあのイズナーです。イズナー相手にブレークをして勝っています。明らかに調子がいいと思っていました。

ところがふたを開けてみるとマトセビッチはミス連発。西岡のストロークがいいのはもちろんですが黙っていてもマトセビッチが崩れる。こういった中西岡は自分の力をしっかりと出し切りました。まだ100位に入ったことがない選手の多くは相手の雑なテニスにつられて自分も悪くしてしまいがちですが、西岡は淡々とできるプレーを続けました。

第2セット冒頭でブレークされてヒヤッとした以外はマトセビッチに対して終始試合の主導権を握り続け、6-1、6-4。実に5ブレークもしての完勝です。

記録を振り返っておきましょう。まず今週のデルレイビーチではコキナキス、そしてラブレフも初戦を勝ち上がり、32ドローサイズで10代の選手が3人初戦を突破するのは07年以来。さらにベスト8進出はデルレイでは12年のトミッチ以来という快挙です。さらに日本人の錦織以外でのツアー8強は昨年2月のヴィナデルマール(チリ)のダニエル太郎以来1年ぶりです。

これだけの快挙を達成した西岡ですが、まだ19歳。現在トップ200にいる10代選手は8人でそのうちの1人。将来が期待されており、海外ファンにも少しずつ認知度が高まっています。

日本のファンにとっては昨年のアジア大会金メダルで知った人も多いでしょう。

そして西岡の次戦は明日。なんと西岡の前に10代で8強に進んだトミッチとの対戦です。

トミッチはトロイツキを振り切りました。競っていますが調子はよさそうでした。

しかしトロイツキが来るよりはストローク戦になりやすいトミッチになったのは西岡としてはラッキーだと思います。

もちろん難しい相手ですし勝率は半分もないのは明らかですが、デルレイビーチの予選上がり、10代選手。

そうです、この地で優勝を飾ったのが錦織です。7年前のことです。

当時の錦織のランキングは200位台。誰も予想しなかった優勝をもう一度。いやがうえにも期待が高まります。

リオデジャネイロではナダルがカレノ=ブスタを2セットで振り切りましたが実に2時間以上を要し、まだまだベストとは言えないのかもしれません。

試合を見ていましたが相変わらず回り込みフォアが決まらない。遅いバック側のボールを強引に回ってフォアで逆クロスに決めるのがナダルの真骨頂。これが決まる時もあればネットする時もあるようではまだまだと言えそうです。

次戦はそういう意味でも注目です。先週のサンパウロを優勝、クレーだけでここ1年で3勝している純粋クレーコーターのクエバスが来ました。

ランキングも気が付けば23位。今シーズンに入っても好調でさらなるランクアップも期待できる中堅選手です。昨日はモンタネスを6-2、6-2で退けておりわずか1時間9分と省エネ。この絶好調クエバスをナダルがどう迎え撃つか。正直まさかもあると思います。

そしてマルセイユでは大波乱。全豪ダブルス優勝後一皮も二皮も剥けたボレリがラオニッチをファイナルセットタイブレークで下しました。

ラオニッチが悪かったかというとそれは疑問で、終始サービスゲームは安定していましたが、ブレークされた第1セットのゲームとぢ3セットのタイブレークでのミス。さらに長いロングラリーがボレリのネットインで終わり、珍しくラケットを叩きつけそうになるなど(私が映像を見てた限りでは叩いてなかったですが、叩きつけたと言っている人もいます)惜しかっただけに残念な結果になりました。

最近のラオニッチはリターンゲームでもしっかりゲームを作れるだけに1ブレークしかできなかったのも寂しく、とにかく一部の内容がよかっただけにもったいなかったのと元気がないなあという印象でした。

これでラオニッチは初戦敗退となり、エントリー、レースともに加点なし。散々な一週間になってしまいました。

またマイアミでの第4シード獲得が遠のく結果となりました。

優勝しても250pしか加点できないじゃないかと言われそうですが、実は大きな違いがありました。

現在のインディアンウェルズ終了後の基礎点です。

一番近い錦織とラオニッチの差は360p。ところがマスターズは出るだけで10p入るので錦織が欠場しない限りラオニッチが錦織を追い抜くためには決勝が必要です。

マルセイユで加点しておけば4強でよく、優勝でもしていれば錦織がインディアンウェルズで16強まで勝ち上がった場合やアカプルコで加点した場合でも4強でいいケースがありました。

ちなみにデ杯で勝っても最高5pしか加算できないのでこれらの議論は変わりません。

とにかくラオニッチにとっては痛い。逆に言えば錦織にとってみれば(まだフェデラーが本当に欠場するか怪しいのですが)ラオニッチ以下に決勝に行かれるようなことさえなければ初のマスターズ第4シードが手中に収まるということに他なりません。アカプルコで加点できればより確実にします。

また今の地点では誤差レベルですがレースランキングでも錦織をかわせませんでした。ボレリに勝ってさえいれば上に行くことができました。

こういった意味でもラオニッチの敗戦は錦織ファンにとって実は大きなものだったということがわかります。

ただ怖いのはバブリンカです。ここまでチェンナイ優勝、全豪は優勝したジョコビッチにフルセット負け、ロッテルダム優勝。ジョコビッチに次いでいま最も勢いがあります。マルセイユも疲れてさえいなければ優勝でしょう。

レースポイントでもついに1500p台に入っており、北米マスターズの結果では昨年に続いて暫定レース1位も視野に入ってきます。

今週は休むはずだったのに意外と話題が多くほくほくですが、来週はアカプルコ、ドバイ、ナダルが出るブエノスアイレスに加え、なんといっても京都チャレンジャーがあります。時間と体力があればぜひ今年も行こうと思っています。それでは。