WUGファイナルカウントダウン ②開けた世界と、行き詰まった世界
~前回までのあらすじ~
TSD、ハナヤマタ難民
WUGさん、そんなんできるならはよ(ry
TSD、WUGにはまる の3本です
早くも初回記事からワグナーの皆様を中心に反響が大きく、喜んでおります
まあこんな差し迫ってからじゃなくて早くから書いておけよという話ですが時間なかったんです。あとやる気が出なくて。残り日数もないので尻に火がついています。
2015年8月。学生の身分だった私はみにゃみの写真集が出るために、他のすべてのイベントを見送って一点集中。翌9月に初めてお話しする。
その後もちょくちょくとイベントに参加していたのですが、WUGシリーズの方は大きな転換点を迎えていくことに。
ここからは初見の人向けにそもそもWUGってなんですかという話をします。知っている人は流し読みで大丈夫です。
WUGとは
Wake Up, Girls! という声優ユニット、およびアニメ作品を指す。文脈によって意味が異なるので、どっちのことを指しているかは文脈で判断してください。
2013年4月にユニット結成。ユニット結成にあたっては、アニメ監督などの実績を誇る山本寛氏、山本氏と友人だった音楽作曲家集団MONACA(アイマス、アイカツなどの多数オタクコンテンツの名曲を作曲してきた実績あり)、声優事務所の81プロデュース、音楽レーベルのエイベックスピクチャーズなどが一体となり、オーディションを敢行。
そこで選ばれた7人を山本氏が監督となるアニメ作品に主役待遇で出演させ、声優だけの幅にとどまらない優れた人材を生み出すというプロジェクトでした。
2013年夏にお披露目(①で紹介した動画は、そのイベントでした)。2014年1月から劇場版公開。同時にアニメ放送開始。3月までの1クール。
舞台は仙台。山本監督が描きたかった東北震災をサブテーマに、アイドルと東北の街を描いた作品。また他の作品同様、山本監督の描く人間臭さ、大人の汚さなど、きらきらしたものがイメージとして描かれる他のアイドルアニメとは一線を画した内容になっている。
このアニメでは、実際の声優の成長とアニメ作品での時間軸の進行を一致させることで、現実と作品の融合現象を生み出そうとしました。これを公式的には「ハイパーリンク」と呼んでいます。
さて、軽く紹介も終わったところで考えていきたいことがある。2015年夏現在での状況は以下の通り。
・2014年1~3月にアニメ1期放送(および劇場版放送)
・2014年4月に初の単独イベントを実施
・2014年8月、1stツアー開始、3都市6公演
・2014年12月、幕張メッセで合同イベント
・2015年7月、2ndツアー開始、4都市8公演
・2015年9月、映画前編公開予定(アニメ1期の続編に相当)
・2015年12月、映画後編公開予定(前編の続き)
あまりにもざっくり飛ばしているので苦情が来そうだが、ハイライトをまとめるとこんな感じになるのではないだろうか。
言いたいことは一つ。2014年3月から2015年9月までの期間、アニメ作品の進展は一つもなかった。
これが単なる漫画などの原作であれば、1期から2期まで1年程度空くのは自然で、むしろ短いくらいのスパンであるが、ハイパーリンクをうたい、現実の進行と並行する存在としてアニメ作品が存在する以上、この間隔は長すぎる。
アニメ作品には、アニメ作品だけの価値ではなく、その中に登場してくる楽曲、ストーリー、聖地などの要素までもが含まれている。
2014年3月以降、その時計は止まり続けた。言い換えると、コンテンツの両輪のうちの一つの歯車が全く動かなくなってしまった。
実際この当時のファンは、楽曲にアニメ作品としての思い入れをある程度投影する人が多かった(これは当時のオタクと話していた記憶をもとに証言しているものであり、すべての人がそう思っていたわけではないことは補足しておく)。2ndツアーで新曲は発表されたが、ツアー限定曲というのは単なる楽曲であって、そこに付加価値は存在しない。*1
実際に2ndツアー当時に会ったオタクに言われた一言を記しておく。
「今田君ね、WUGのCDがね、2014年の2月から出てないのよ。これがね、声優アーティストとしてどれくらい致命的かわかるよね?」
ハイパーリンクという縛りがあるために1年半シングルが出ないアーティスト(派生ユニットやキャラソンなどのCDは出ている)。まだビジネスやオタク知識の浅い私にも、その事実は重く伝わった。
そして私はいろいろな知識を得て、リアルタイムでコンテンツの進行を眺めて、一つの疑念が浮かんできていた。
WUG、このままうちの推しは続けていていいのか?
2015年から2016年前半はみにゃみにとって前進の連続だった。
まず2015年8月に個人の写真集発売。WUGメンバーでは初だった。
2015年4月には現在でも続く冠ラジオ、A&G NEXT BREAKS 田中美海のFIVE STARSが始まる。これは一流女性声優を生み出したLADY GO(上坂すみれ、小松未可子などがパーソナリティ)の後進番組で、確実に売れるという確信があった。
2015年6月にはNHK教育テレビの番組に役者として出演。
2016年1月からのクールはシュヴァルツェスマーケンで女性役の中で主演。
一方、WUGの活動はこの頃(というか現在でもそうだが)いわゆるエイベ縛り、WUG縛りと私が呼んでいるスケジュール拘束が顕著になっていた。
先ほど言ったようにWUGには81プロデュース、エイベックスピクチャーズなどの組織が絡んでいるため、そちらの拘束力が優先されるし、それによって他のイベントに出にくい、そもそも配役が取りにくいといった制限が出てくる。
もちろん裏を返せばエイベックスの息がかかったアニメ(ハナヤマタは実はこれに該当する)には出演しやすくなるのだが、自由に活動するという意味では障壁になっているのでは?と思っていた。
もうこの段階で、みにゃみは独り立ちできる力と実績を作りつつあった。
そのみにゃみにWUGは必要なのか?
そんな疑念が一度発生すると、コンテンツを斜めからしか見れなくなってしまう。
2016年7月、3rdツアー。
ハイパーリンクを失ったWUGは迷走していたように感じた。
この時のオープニングでは航海に出るような設定があったが、いまいち活かしきれていなかった。そしてセットリストは2ndツアーと比較してほとんど増えていなかったため、曲順はリリースされた順番から逆に演じていき、始まりの曲タチアガレ!で終わる通称「逆行セトリ」と呼ばれる内容だった。
私は思った。未来が見えない。逆行セトリは、今のWUGが少し前の過去を超えられていない、ハイパーリンクありきで楽曲が構成され、その楽曲たち、コンテンツの深みを更新できていないことを証明してしまった。このコンテンツは、このグループは、どこへ向かうのだろう。
2016年、アニメコンテンツの進展は一つもなかった。のちに「三次(三次元のWUGちゃん)が引っ張った年」と語られるほどだった。
一方の私は充実期を迎えていた。
サイン会、イベントなどを経て私は新人からただのオタクになり、その過程で友達がたくさんできた。
日本中に知り合いができ、どこに行っても仲間がいた。
少しずつ遠征に行く回数も増えて、旅の楽しさも分かるようになってきた。
私はこの空間に居心地の良さを感じていた。
実際ワグナー(ファンの総称)は総じて情に厚く、深い付き合いができる人たちだ。
この現場を何とかしたい、7人とみんなで頂点を目指したいという思いと、今すぐに推しに独り立ちしてほしいという思いが交錯し、交わることがなかった。
まっすぐに推すことができない自分を恨んだ。どうしたらいいのだろうか。
あとがき
第2回は書きながら重たい内容だなと思って書きました。
今の結果を知っているワグナーは思うでしょうけど、この頃から変わった転換点があったわけですよね、転換点。それをどこに設定するかはそれぞれのオタクの感受性に委ねられているところがあって。人によって意見違うでしょうが、次回で私なりの見解をまとめようと思っています。
あと、誰推しかにもよって違いますよね。悲しくもみにゃみ推しだったからこそ、こういうちょっと斜め上からの視点で見てました。他のオタク悪く思わないでね。
*1:実際、そのツアー用楽曲である地下鉄ラビリンスが真にライブで完成したのは、今回のファイナルツアーであるという説もあるくらいだ。新しいオタクたちによって再評価されたところはあると思う
ネットプレーの多用で惜しい試合を落とす(2019ロッテルダムSF)
2019 ABN AMRO WORLD TENNIS TOUNAMENT
SF
[1]Kei Nishikori 2-6 6-4 4-6 Stan Wawrinka
評価に難しい試合だったというのが率直な感想です。
まず、私は試合後にみなさんの感想を見て、ネットプレーについてどうだったのかという意見がほとんどを占めていたので、ネットプレーに着目してみてみることにしました。
と同時に、以下の本人コメントを別所から得ていました。
錦織圭「相手がうまかった」接戦の末に今季2敗目(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース
錦織は準決勝敗退「ミス多すぎた」、ワウリンカに敗れる ABNアムロ(AFP=時事) - Yahoo!ニュース
文脈がないので言葉をつぎはぎされている可能性もありますが、ネットプレーのことに対して錦織は「相手がうまかった」と称え、一方で「第1セットのスタンのプレーは良かったが、素晴らしいというほどではなかった」「自分がミスをしすぎたし、アンフォーストエラーがあまりにも多かった。もっといいプレーができたと思う。とにかくミスが多すぎた」と、自分のミスの多さを棚に上げました。
いったいこの試合の敗因はどこにあるのか?本当にネットプレーなのか?これを検証するうえで裏付けとなったのが、前戦のフチョビッチ戦でした。
この試合、錦織のネットポイントwonは12/14と、一見するといい数字のように見えます。
しかし、具体的にどんなポイントだったか見てみるとこういう結果になりました。
0-0 15-15 ボレー成功
0-0 30-30 フォアドロップボレー成功
0-0 40-30 クロスパスで失点
1-0* 30-0 実質抜かれてるがアウト
1-1 30-0 スライスで抜かれようとしたがアウト
3-3 30-30 サーブアンドボレー、返球苦しくネット
0-1 40-40 Deuce2 ネット取ってスマッシュも反撃、その後ラリーでポイント
0-1 40-Ad ネット取るもセカンドボレーまで返されてハイボレーミス
1-2 15-15 バックボレー綺麗に落とす
1-2 40-15 ドロップが浅くなりおびき出され、色々あって失点←おそらくこれ含まれていない
3-2 15-0 浅くなったリターンをドロップ
3-2 40-15 ネットインで浅くなったボールを打ってネットへ、パスミス
4-2 0-0 打ち合いからストレートに打ってネット取る、相手ネット超えず
4-2 30-0 上と同じパターン
5-2 15-0 ワイドサーブ良くてサーブアンドボレー成功
5-2 30-0 テレビ素材エアケイ
5-2 40-0 形作ってドロップボレー
赤太字が失点、そして黒太字はあわや失点というポイントです。実は強引にネットに詰めて、相手のミスを誘うような形で、あわや失点していてもおかしくないポイントがいくつかありました。
実際に試合映像を見てみると分かります。
この連続写真(画質が荒くてすいません)なんかが分かる通り、十分にネットに詰められていません。右側へのケアが十分とは言えません。このポイントは最後の写真の通り、オープンスペースに打たれています。ボールがもう少し軌道が低ければ、ベースラインに落ちて相手のポイントでした。
で、これを先に見た私は「どうせワウリンカ戦でも無理なネットダッシュを試みてパッシングの餌食にあったんだろう」と思って試合を見始めました。上位相手なら(実力、実績がという意味。まだランキングではフチョビッチの方が上)、こんな甘いネットの出方は見逃してくれない。そう思って見た私は驚愕しました。
ワウリンカ戦の錦織のnet points wonは9/25とひどいものでしたが、この25ポイントのうちちゃんとネットに詰められなかったとTSDが判断したポイントはほとんどありませんでした。
はい、ここまで見て結論が分かったと思いますが、この試合の錦織のネットポイントの悪さは錦織の悪さというよりワウリンカをまず褒めるべきというものです。
錦織としては、ネットに詰めてやるべきことはやっていたが、それ以上にパッシングが強ければ失点してしまう。そういった心情の表れが「相手がうまかった」と称え、実際考えにくいほどのスタッツの悪さをそこに集約させたということだったのではと思います。
ではネットプレーに利がないとするのならば、どうしてストローク勝負に挑めなかったのか?ということですが、これは試合展開を振り返りながら見ていきましょう。
試合開始直後、錦織はいきなり2ブレークを許しますが、この内容はストローク戦での完敗。これまで封じ込めていたワウリンカのバックハンドにやられ、コースの読みあいでも後手を踏みます。
ここで錦織はネットを多用します。しかし、このネットプレーもポイントに結び付けることができません。
結果としては、一度ブレークバックした後さらにブレークされ、1セット目を2-6で落とします。
切り替えた2セット目はわずかにワウリンカが落ちたこともあり、展開が激変。錦織が6-4で取りますが、この頃にはワウリンカの状態はかなり落ちてきました。もう打ち合いに持ち込んでいても勝てたのではないかと思います。
しかし、ファイナルセットでもネットプレーを多用した錦織。一方のワウリンカはサーブでしのぎます。1stサーブの確率を落とさず、錦織にチャンスを与えません。
マッチポイントについては、あのシチュエーションになればワウリンカは十中八九打ってきます。あの場面を作り出してしまったそれまでの100ポイントの方が問題だっただけです。
ファイナルセットを見ているとどっちに転んでもおかしくなかっただけに、そんなに悪くない試合でしたが、勝つには今日は十分ではなかった、といったところでしょうか。
ネットプレーが試合をややこしくしてしまったように思います。もう少し打ち合いを選択していれば結果は違ったのではないでしょうか。
それでもネットプレーを選択した理由は、ネットへの詰め方は間違っていなかったため失点しても変える必要がなかった、ということと、ストローク戦の形成判断を誤ってしまったからではないかと思います。
ただ、ネットプレーをはなからやめるという考えには反対です。
これはフチョビッチ戦やこれまでの結果が示す通りで、MSの初戦~次戦、GSであれば1週目に対戦するようなレベルの相手には、しっかり高い確率で通用することが分かっているからです。そして、そのような試合には勝つだけでなく時間短縮で勝つという命題もあります。その目標に対してネットプレーを使うことはむしろやってほしいくらいです。
この試合、大会から得られたこととしては
・ワウリンカがラリーで支配的になった場合、普通に負ける可能性が高い(上限の高い選手なので仕方ないと言えば仕方ない)
・ワウリンカにはネットプレーは多用しない方がいい、ただしオプションとして持っておく必要がある
・下位選手に対しては試合時間短縮の目的でネットに出るのはあり、ただし見切られた場合はやめた方がいい
こんなところでしょうか。
前の記事にも書きましたが、そりゃあ誰だって優勝がいいし、このあたりのラウンドで負けると1勝の重みが大きいので悔しいです。
ただやるべきことはできていたと思います。ワウリンカとGS2回戦までに当たる可能性が減ったんだから(ポイントを得てワウリンカがトップ30に近づくため)ラッキーくらいに思って次の大会に切り替えましょう。
上位が楽に勝てていません。おそらくですが2月シリーズの優勝者、まだ一人も当たっていない人いるんじゃないでしょうか。それほど過酷で、戦国時代です。
ドバイ、IWと続いていきます。立ち止まっている場合ではない。重要な試合が続いていきます。
Mリーグはマインドスポーツの先駆けになれるか
こんにちは。
今日はうってかわって麻雀の話です。
麻雀の情報を集めている側から来た人向けに軽く自己紹介すると、スポーツナビブログでテニスのブログをやっていました。今はNumberwebなどで書かせていただきながら、その他のことをここのブログで書いています。
TSD麻雀やるの?という疑問ですが、学生時代に覚えました。成績?それは聞かないで
ある意味コミュニケーションツールみたいなところありますからね。夜な夜な先輩の家でやった記憶を思い出します。
私の中で下火になっている時期があったのですが、昨今オタクとの付き合いにより再びやる機会がふえました。オンラインゲームで手軽にできるようになったのは大きいですね。
そんな折、別の事情でインストールしていたabemaTVを見ていたら、麻雀チャンネルがあると知って見始めたのがRTDリーグでした。
トッププロ16人が集まり(当時アマチュアの萩原聖人さんも含まれていましたが)長期のリーグ戦を戦って優勝を目指すというシステムはとても面白く、特に終盤戦は毎日の楽しみでした。
28回も打っているのに1~2回の成績の差で決まる厳しさに驚きました。
その興奮も収まらない中、サイバーエージェント(abemaTVの母体)社長の藤田晋さんからMリーグ構想が発表されたのが昨年7月でした。
発表された瞬間は、すごいことが起きたという喜びと、本当に成立するのか?という不安とが交錯していました。
2022年の五輪を目指し、プロスポーツ化に向けた整備を行うということでしたが、麻雀には賭けマージャンを防ぐ以外にも、多数のローカルルールが存在するなど様々な課題があります。一種のテーブルゲームというところから、将棋や囲碁、チェス、バックギャモンなどの各ゲームとどう差別化を図り、本気でプロスポーツ化させるのか。
昨年7月に発表され、8月にドラフト会議、10月からリーグ戦スタートといささか急ピッチに始まった感じがありましたが、初日から大盛り上がり。特にその火付けとなったのは2つ。1つは明確にチーム戦を導入した初の大会である(プロ団体対抗戦などはこれまでにもあった)こと。
7チームで争われる80戦のリーグ戦では、自軍の3人の中から選手をどの順番でいつ起用してもOK。これによって、選手ごとの得意不得意に加え、対戦相手との得意不得意まで加味したオーダー起用ができるようになりました。
麻雀も、他のスポーツと同じように選手に様々なタイプがあるため、相性の良しあしがはっきり出ます。また座る席の順番によってもその相性が変わるため、戦略性が要求されます。
これは野球に例えると、ワンポイントリリーフみたいなことができるということです。あの選手にはこの選手を当てる。昔で言うと松井秀喜に遠山奬志を当てるようなものです。
今のスポーツ界の潮流として、「何らかのクラブチームを持ち、対抗戦を行う」というのが興行として成立しやすく、話題性も作りやすいというのがあると思います。
卓球でもTリーグが発足したばかりで、その盛り上がりは言うまでもありません。
実際今のMリーグのファン層を見ると、やはり特定のチームのファンになっている人がほとんど。FC制度もすでに出来上がっており、各チームごとにファンミーティングを実施したりFC限定グッズを販売しています。
そして個人的に称賛したいのは各チームのそれぞれの企業努力についてです。
U-next piratesは、自らの企業イメージであるデジタルコンテンツに合わせて、デジタル思考(運や流れを排除し、理詰めで打つこと)の選手をドラフトで集めました。
渋谷ABEMASは、現在の麻雀界の人気実力筆頭である多井隆晴を中心に、所属する麻雀団体と年齢、すべてバラバラなところからメンバーを集めて、Mリーグの看板チーム、人気チームとしての役割(野球なら巨人か阪神でしょうか)をきっちり果たしています。
挙げればきりがありませんが、個人、チームそれぞれが最大限に努力し、一過性のブームにならないように頑張っているのはとても好印象です。
2つ目に、パブリックビューイングの存在です。
パブリックビューイングは週末の試合を中心に、Mリーグの試合を会場近くの別室でみんなで観戦し、試合終了後にはにはその日対局した選手も集まってファンと交流できるイベントです。
これは画期的でした。チーム戦という要素に加え、みんなで一緒に麻雀を見るという前代未聞の試みがファンの心をつかみました。実際中継で映っている会場はかなり盛り上がっており、私も行ってレポートしてからこの記事を書きたかった…というくらい楽しそうなんです。
既に決勝戦のパブリックビューイングは完売。予選も昨年の段階で2月の試合が完売するほどの盛況ぶりでした。
構想発表からまだ半年と少し過ぎた段階で、Mリーグは今のところ大成功に終わっていると思いますが、実績を急ぎすぎたためか、詳細を詰め切れなかった部分でいくつかの課題が出ています。
1.場決め、メンバー選考方法への不満
ファンから見た視点では、Mリーグではチームの対戦カードがリーグ戦開幕前の段階ですべて発表され、当日のオーダーが各チームのTwitterから任意の時間に、さらにどこの席に座るかは突然試合前に発表されます(選手入場時?)
どこの席に座るか、いわゆる「場決め」は、麻雀においても重要な位置を占めます。また最終結果を見ると各チームが同じ回数同じ席に座ったわけではないので、毎回くじ引きのようなもので決めているということになるのですが、それを非公開にする理由が分からない。
私の提案ですが、Mリーグ放送が始まるのが19時なので、19時に場決めを公開で行い、チーム紹介PVを15分ほど流して見どころを話している間に、裏で各チーム出場メンバーを決めて19時10分or15分に運営に提出。5分後に選手発表。こんなイメージでいいんじゃないかなと思います。
と同時に、選手起用について思うことを誰に言っていいかわからないので、監督の存在をもう少し大っぴらにした方がいいと思っています。実はMリーグではチームの監督が一体誰なのかわからないチームが多く、選手起用をTwitterの中の人に聞くことがよく起きていました。
プロ野球でも選手批判だけでなく監督の采配批判がありますよね。Mリーグでも監督を表に出して、みんなで起用を考えていきたい。そうなれば、いわゆる「見る将」のレベルもアップしていくのではないでしょうか。
2.Mリーガーの酷使
Mリーグでは対局の解説をMリーガー自身が行っています。
これがどれくらい辛いかというと、月火木金に試合があるMリーガーは、週2日くらい対局、もう1日解説、他の日で自分の団体の大会やパブリックビューイングのゲスト、地方の麻雀店へのゲスト出演をしています。
これではきつすぎる。多井隆晴プロは休みが全くないと言っていました。本人楽しそうなんでいいんですが、実際リーグ開催期間中に冬場だったのもあり、体調を崩す選手も出てきています。
最終盤では土田浩翔プロや内川幸太郎プロに解説交代しましたが、本来もっと前から行うべきだったと思います。
また実況も二人で4日を分担する形になっており、人材不足が否めません。
Mリーグ解説のお兄さん、Mリーグ実況のお姉さんをもっと増やすべきです。
また極論を言えば、このMリーグ構想は今たくさんあるプロ麻雀団体を潰して麻雀界を再構成する立場にあるものとも言えます。試験的でいいので、Mリーグに選ばれた選手は1年間他のリーグ戦、トーナメントを外れてMリーグに専念するなどの特例措置を取った方がいいのではないでしょうか。
3.東京だけで盛り上がってないか?
Mリーグの対局、パブリックビューイングはすべて東京湾に面したゆりかもめ沿線で行われています。
また対局開始は19時、遅いと23時近くまで対局が続き、その後ファンと交流。終電がなくなってしまったというケースも多々起きています。
開始時間+地理条件から、パブリックビューイングの参加は関東近郊の人の方が圧倒的に有利で、地方の人は遠征して翌日に帰らないといけない厳しい条件になっています。
これではよくない。
そこで提言として、プロ野球が地域密着型にシフトして再興したように、Mリーグも地域を本拠地として各地を巡業するようになればより面白くなると思います。
具体的にはその地域を代表する企業にスポンサーになってもらい、本拠地を設ける。本拠地には今の東京と同じ規格のMリーグ開催が可能なビルを建てて(もしくは借りて)行う。
将来的にドラフトが整備されるようになれば、「地域枠」で選手を取ることもできます。
本拠地では場決めの優先権が与えられるというホーム&アウェー方式も面白いかもしれません。
またMリーグが発展すれば、2部制や地方独立リーグ制などを作れるでしょう。こういった時にも地方の本拠地が生きてきます。
パブリックビューイングも地方ごとにやって、サテライト的な役割を果たせばいいかもしれません。
以上簡単ですが、Mリーグについて語ってみました。
まだ初年度です。ルールや制度などを抜本的に見直して変えることができるのは今のうちがチャンスとも言えます。初年度としては及第点ですが、本当に発展していけるかはまだまだここからです。
そんなMリーグは今日から決勝ラウンドです。abemaTVで全試合生中継、たまには進化しつつある麻雀を見てみるのはどうですか?
WUGファイナルカウントダウン ①衝撃の交響曲
「今田さあ、来週のWUG来ないの?」
2015年7月、私の友人との会話。
私はこの言葉を一生忘れることはないだろう。
当時の私はブログ「two-set-down」*1も軌道に乗り始め、学生生活を適当にうまく処理謳歌しながら、毎日を過ごしていた。
ただ一つ、どうしても忘れられないロス現象があった。それがロスト・ハナヤマタ現象だった。
見始めた理由は「なんとなく」で、この日に他に見るものがなかったとか、そんな消極的なものだった。実際、夏アニメ詳細が出た段階で視聴リストには入っていなかった。
それが8月を過ぎる頃には、見ていた他のアニメを圧倒的に凌ぐほど「最も続きが見たいアニメ」になり、ついには9話から1周目の視聴*2で必ず号泣するようになってしまった。
9月、アニメ放送が終わり、錦織はグランドスラムのファイナリストになった。
私の人生、この時から先の10年を決定づける大きな出来事が、わずか1ヶ月の間に2つ起きていたのだ。
アニメが完結し、行く当てのなくなった私は、別の事情で初代ブログ(とらきちの悠々自適生活)も閉じ、一気に生活が一変した。残っている資料を漁り、過去のニコ生やMAD動画なども全部見た。そんな時、ある動画に出会った。
この動画はすでに投稿者によって削除されてしまっているが、代用として似たような感覚を得られる別の動画を貼っておく。
私が見た動画は、ニコ生で他のキャストがものを落としてしまった時に、田中美海さん(以下みにゃみ)がゲラゲラ笑っているというものだった。
直感、「ああ好きだなあ」と思ったわけだが、この第一感がじゃあどこから来たのか?ということを、もう少し言語化してみると
・素で笑ってるのが好き
・そもそも、ニコ生という不特定多数空間で素を出せる強さ
・転じて、仕事を楽しんでいることが伝わる
TSDブログお得意の、本質は最後にある、という話で、この子は声優に向いているなあと思った。
しかも、実力があるのは明白だった。モノマネの形態模写もうまいし、ハナヤマタでの演技も遜色なかった。
後から知って驚いた話だが、この時のメインキャスト5人のうち、3人は若手新人。しかしそんなことは感じさせないほどみんなうまかったし、事実この時の主演だった上田麗奈さんは、翌年声優アワード新人賞を受賞した。*3
以前私がプロライターになった時に書いた一節を再掲したい。
一つの頂に立った日(プロライターになって思うこと) - two-set-down新章
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よく「なぜ推しを推してるのですか」という質問を受けることがある。
色々理由があるのだが私は「好きなことを仕事にできてるから」と答えることが時々ある。
私には、やりたかったけどできなかったことを彼女たちはやっている。それは憎しみでも悔しさでもなく、素直に尊敬の対象なのだ。
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きっと人によって推しの定義は違う。色々あるだろうけど、私には
①圧倒的な才能を感じる
②好きなことを楽しそうにやっている
③同時に、現在の地位はそのポテンシャルに対して圧倒的に低い
というのがある。当時、みにゃみはまだWUG1期のアニメ放送が終わり、ハナヤマタに出演して、あとプリパラの真中のんでちょっと出演していたような時期。現在から比較すれば、WUG関連の仕事以外はまだほとんど来ていなかったような頃の話である。
この子を追いかけてみるか。
それまでアスリートをたくさん応援することはあっても、こういった「追っかけ」に近いことはしたことがなかった。
時間もお金もかけることは、一種のギャンブルだ。
今までスポーツ観戦という全くお金のかからない趣味しかなかった私にとっては、なおさらだ。
そして、2015年4月、最初のイベント*4に行った。
最高の景色だった。
そしてハナヤマタの2期は発表されず、男は、ハナヤマタロスに入っていった。
「今田さあ、来週のWUG来ないの?」
2015年7月、私の友人との会話。
実際当時の私は困っていた。調べていくと、みにゃみは「Wake Up, Girls!」という声優ユニットグループに入っているらしいのだ。声優活動の全てを追っていくうえで、避けては通れない存在だった。
だが、チケット代は高い。2回公演回し?両方行ったら1万5000円?
学生身分には高かった。行きたくて行ったハナヤマタのイベントとは違う。行くか迷っているものに、同じような値段を突き付けられるときつかった。
しかも、当時WUGのことを検索するとネガティブな内容しか出てこなかった。監督批判、アニメの作画崩壊、アイマスやラブライブなどを目指そうとして失敗した、など…メンバーの今後すら怪しいような内容だった。
とりあえず、1回行って、それでだめそうなら見切りをつけよう。
そう決めて、地元の大阪公演だけ行くことにした。
ライブ前に楽曲を覚えていく、いわゆる「予習行為」をしないとと思い、最初に見た動画がこれだった。
ふーん、こんなものかと思った。まだまだ力不足、新人だし仕方ないか。
おそらくこの動画を見た人も、同じことを思ったのではないだろうか。私は、大きく期待もせずに私服で適当な時間にライブ会場に向かった。
そしてライブが始まった。
MCで「新曲5曲やります」と突然の発表、興奮も冷めやらないまま流れたのがこの2曲だった。
何これは。こんなのできるの?聞いてないんだけど。
予習をした段階では元気いっぱい溢れる感じで、まだ若さとか青さみたいなのが垣間見える感じだったのが、なんだいこれはという感情に支配された。
重厚感あふれる楽曲の少女交響曲、電子音やシンセなどをふんだんに盛り込み、いかにもエイベックスっぽい、かっこいい曲の素顔でkiss me。
まさに大迫半端ないってコピペである。
言うといてえやあ、できるんやったら!!!
終演後、友人と会った私が放った第一声は、ツアー福岡のチケット、余ってないのか、だった。
この7人に賭けてみる価値はある。
4年にわたる、長い道のりの最初の夜だった。
※このブログは普段テニスの記事を書いていますが、3/8さいたまスーパーアリーナファイナルライブまで、毎日カウントダウン兼宣伝・応援記事を短期集中連載で書いていきます。初日からなかなか飛ばしてますが、マイナスのことも思いっきり書きますのでくれぐれもご注意を。
【week review】2019week8回顧
こんばんは。
花粉きついですね。目がちくちくしてきたので、本格シーズンに入ったなという感じです。
あと今年の花粉、喉に来ますね。
ライブで喉つぶしてるからじゃないですかね
いや毎日やられてるんで、鼻よりは喉といった感じです。
日曜の仙台ですが、花粉を吹き飛ばすような虹がかかりました。
いや雨降ってないでしょ、というツッコミが来そうですがこれです。
Wake Up, Girls ! ファイナルツアー千秋楽のこの日、有志の方が企画され、5年やってきて実施は初めてとなった大規模サイリウム企画が成功しました。
座席分の2000本以上のサイリウムを自腹で買い込んで、配置案などをまとめ、話すべき人に話をつけて成功させた手腕には脱帽です。こういうオタク側の勢い、今まであまりなかったものです。こういう話が出ては消え、出ては消え…というもぐらたたき状態でしたので。
私も微力ながらお手伝いさせていただきましたが、なんとか成功に終わってよかったです。
さて本題です。2月3週目のこの週も波乱続きでした。
マルセイユ(ATP250、インドアハード)
第1シードで出たチチパスが優勝。4週連続出場という強行日程でしたがようやく結果が出ました。全試合ストレート勝ちという完璧な内容でした。タフドローの予定でしたがモンフィスのwithdrawにも助けられました。
その他の選手ではWCのアンベール。復帰戦となったチョリッチを下してベスト4。ちょこちょこ名前を聞くようになりました。今後も注目です。
決勝にはククシュキンが上がってきました。久しぶりのツアー決勝でしたが相手が悪かったか。自己最高位になりました。
ゴファンはようやく結果が出ました。ツアーベスト4は復帰以来初めてです。
デルレイビーチ(ATP250、ハード)
大会の注目はこの人、10月の上海マスターズでひざを負傷し、NAF出場が絶たれたデルポトロ。初戦は西岡との対戦で、長いラリーが続きましたが問題なく制して今期初勝利を飾りました。
その後も勝ち上がり、これはいけるかな、と思っていたのですが膝が悲鳴を上げてしまいました。QFで痛々しいテーピング姿で現れたデルポトロ。マクドナルドに惜しくもフルセットで敗れました。
膝の問題はまだ完全には解消されていないようで、昨年優勝のアカプルコを欠場して、昨年優勝したIWに備えることになりました。早い復帰を願うばかりです。→IWも欠場になりました
綿貫陽介はラコに敗戦。引き続きツアー本戦へ積極的に挑戦していってほしいです。
決勝は初優勝がかかったエバンズとアルボットの対戦。ファイナルセットタイブレークという大接戦となりましたがアルボットが優勝。エバンズは17年シドニーに続いて2度目の準優勝となりました。
エバンズはティアフォー、セッピ、イズナーを3枚抜きしましたが届かず。しかししばらく注目したい選手です。
リオデジャネイロ(ATP500、クレー)
大荒れの大会となりました。
もともと雨で順延や試合開始時間の遅さ、コート整備不良など、ATP500としては相当過酷な環境での大会であるリオですが、今年は上位勢にその魔の手が一斉に襲い掛かりました。
初日の試合をほとんど雨で消化できなくなると、なんと火曜日に1回戦全ての試合が組まれ、多くのシードが敗戦。初戦で7人が姿を消します。残ったソウザも2回戦で敗れ、ATP500としては異例の、ベスト8にシード0人となりました。
決勝は1回戦で第1シードのティームを破ったジェレと、第2シードのフォニーニを破ったアリアシムです。
ジェレが準決勝をW/Oで飛ばせた影響もあったのか、ストレート勝ち。初タイトルが大きな500のタイトルとなりました。また、決勝でのスピーチはとても印象的なものになりました。20代前半で両親を亡くし、その二人に捧ぐ優勝となりました。
“I lost my mom seven years ago and I want to dedicate this one to her. And also to my dad, I lost him two months ago.”
— Tennis TV (@TennisTV) 2019年2月24日
❤️👏😭#RioOpen pic.twitter.com/yP2qcVNJyd
多くの選手が言及しています。
Huge congratulations to Laslo for his amazing win at @RioOpenOficial & his maiden @ATP_Tour trophy. You have demonstrated a great deal of resilience & fighting spirit in difficult times. Thank you for your honesty & transparency in sharing your emotions about your parents 🙏❤🇷🇸 https://t.co/8ozI498Lqs
— Novak Djokovic (@DjokerNole) 2019年2月25日
So much respect for Laslo. He can count me as his newest fan! 🏆 #RioOpen https://t.co/PAnw04ukfR
— Grigor Dimitrov (@GrigorDimitrov) 2019年2月25日
今後の活躍にも期待です。
またアリアシムも10代でATP500決勝進出は見事です。
カナダ人選手ながらクレー挑戦ということでひそかに注目していましたが、いきなり大仕事をやってのけました。4月以降のクレーシーズンでも注目です。
毎週荒れてますね。しばらくはこんな感じの結果が続きそうでしょうか…
ショックだが、一度目までなら許される敗戦(2019ドバイまとめ)
1回戦からストロークの調子がかなり悪く、2回戦でどう修正してくるかな、という試合でしたが、修正しきれませんでした。
1セット目の序盤はフルカシュがリターンを全く合わせられず、淡白な展開で試合が進み、4ー4まで錦織がサービスポイント16ポイントをすべて取る内容。
さらに錦織のリターンでも返球さえすればラリーでほぼポイントが取れる展開。ここまでは錦織が負けるイメージはありませんでした。
さらに5-4とブレークに成功し、迎えたSFSで事件が起きました。
それまでも入っていなかった1stサーブが極端に入らなくなり、すべてセカンドサーブとなってブレークされます。
さらに12ゲーム目でも力なくサービスを落とし、5-7でセットダウン。
衝撃でした。テニスの恐ろしさを感じさせるシーンでした。
2セット目に入って、錦織はプレーを取り戻して5ー1とリード。この場面でもリターンさえ返していれば自分のポイントにできていましたが、ここでまた同じ出来事が起きます。SFSを2度落とし、この間にフルカシュのプレーがみるみるよくなっていきます。
5-5で迎えた11ゲーム目はフルカシュがおつきあいしてしまい錦織がブレーク。12ゲーム目を取ってセットオールとなりました。
しかし、この間にサーブの調子を取り戻したフルカシュが簡単に崩れなくなります。1セット目序盤同様エースを打ち始め、さらにストロークにも勢いが出てきます。
一方錦織は悪くはなかったものの、定期的にフォアのミスを繰り返しなかなかいい時間帯を作れません。
第4ゲームはアンラッキーでした。錦織のフォアウィナーがネットに嫌われ大きく跳ねてアウトに。さらにフルカシュのリターンがどう頑張っても取れないネットすれすれに落ちて、これが傷となりブレークを許します。
このゲーム、錦織が悪いわけではありませんでした。
しかしビッグサーブ気味、調子を上げてきたフルカシュに対抗する手段はもう残っていませんでした。そのままキープを重ねられて最後はフルカシュが何を打ってもウィナーの状態。勝ちビビりもなく、初のトップ10勝利を錦織が献上する形になりました。
敗因を簡単に言うことはできて、フォアハンドの不調と1stサーブの確率に尽きます。
最後には焦りからかバックDTLまでオーバーするようになり、どうしようもありませんでした。
ストロークが調子悪い時間帯に輪をかけて1stサーブの確率も落ちたことが、対処不可能になってしまった原因でした。
少し気になったのは、1回戦のペール戦試合前に右手首のテーピングを直してもらっていたことです。
普通であれば試合前にそういった処置は行ってから出てくるはずなので、不思議に思っていました。
現実の結果と比較すると、やはり手首の状態については疑問視せざるを得ません。
去年復帰してすぐの、フォアに頼れない状態に近いものを感じました。
また風の影響もあったと思います。初戦から風が強く、ボールをコントロールできないシーンを何度も見ました。
フォアハンドとサーブの絶不調が何だったのか、原因をきっちり修正すればIWではまた難なく勝てると思っています。本来調子が悪くなければフルカシュのプレーがよくなる前に片付いていた試合でした。
フルカシュが尻上がりに調子を上げ、勝ちビビりもなく勝ったのはあっぱれですが、やはり錦織は勝てた試合であったというのが正直な感想でしょう。
ただ、本来トップ選手でも年に数回こういう試合は出ます。
好調だった2017フェデラーもこの大会でドンスコイに敗戦、通称ドンスコったということもあります。今日がGSやMSでなかっただけよしとしましょう。
この1敗がただの1敗で終われば問題ない話です。
そのためにも、手首のケアはきっちりしてほしい。その他の要因であれば大会が変われば解消されるはずですから。
ツアー全体のことを考えると、錦織の安定感はここ半年で見ればジョコビッチの次に位置するというほど安定していて、ベスト8に残れなかった大会はシンシナティまでさかのぼります。
メドベデフも敗れました。ジョコビッチ以外は今のところ戦国時代の様相です。勝てるときに大きく勝ちましょう。それでいい。それがMSやGSの決勝なら、言うことなしです。
【week preview】2019week9ドロー解説
こんばんは。
仙台が終わり、戻ってきました。
次に来れるのがいつか分からないのが残念ですが、必ずまた来たいと思います。
土曜日から忙しすぎて、まったくブログに時間が取れませんでした。先週から実はこつこつ時間を見つけて書き溜めもしていたんですが、今回はドローリリース後に時間が取れなかったのでどうしようもなかった…
もうしばらく遠征はないので、これでご迷惑をおかけするのも最後になるはずです。
さて遠征はもうありませんが、3月8日はSSAです。
追加の一般チケットが発売開始となりましたが、早くも残数わずかです。
参考・チケットぴあでは売り切れました!
https://t.pia.jp/pia/ticketInformation.do?eventCd=1900591&rlsCd=001&lotRlsCd=
本当はチケットを抱えているオタクがいるはずですが、見た目上最後のチャンスです。最後だから一見さんは控える、とためらう必要はないです。たぶん行きたい人は、都合がつくつかないがはっきりしない人以外、もうほとんどチケットを手にしていると思っています。駆け込み需要のある方に是非行ってほしい。来て損はないです。何せ錦織×フェデラーに並ぶ素晴らしいものですから(何回言うんだよ)
さてドロー解説です。今週は3月MS前最後の3大会、ドバイ、アカプルコ、サンパウロです。
ドバイ(ATP500、ハード)
[1]錦織圭
[5]チチパス
[3]チリッチ
[8]メドベデフ
[6]チョリッチ
[4]ハチャノフ
[7]ラオニッチ
[2]フェデラー
ロッテルダムに続いて第1シードの錦織。初戦はペールとトリッキーな相手ですが、この大会のレベルの高さを考えるとタフドローとは言ってられない。次戦のハルカシュも加えて、トップ50との対戦なしにベスト8に行けるのは錦織とメドベデフだけです。
最初の試金石はQF。マルセイユ優勝の[5]チチパスです。昨年の楽天では圧倒しましたが、場所が変われば結果も変わります。ロッテルダムで片手バックハンドの選手(ワウリンカ)に敗れていることもあり、要注意です。
故障でロッテルダムを欠場し、全豪以来の復帰戦となる[3]チリッチには注目。まずはけがをしっかりと治しきれているかがポイントですが、なんと初戦はモンフィス。厳しい相手になりました。モンフィスは充実。2月シリーズ4連投でしたがSF→優勝→棄権と来ています。痛めているけがさえ回復すれば強いです。
そして2月シリーズこちらも好調の[8]メドベデフはいいドローです。第2クォーターはチリッチ、モンフィスとの3人での争いになりそうです。
ボトムハーフはやはりこの人が中心、[2]フェデラーです。
初戦はコールシュライバー。試合巧者ですがなんとこのカードはフェデラーが13勝負けなし。惜しい試合はいくつかありましたが、かつてマレーを追い詰めたこの大会でコールシュライバーの奮起はあるか。
そのあともベテランで2年前のファイナリスト、ベルダスコ、その次は復調気味の[7]ラオニッチや好調フチョビッチなど休む暇がありません。
第3クォーターは難しいブロックに。復帰戦で白星が出なかった[6]チョリッチ、勢いの出ない[4]ハチャノフ、全豪ベスト8のバウティスタ=アグー、復活のT、ベルディヒなど混戦模様です。フェデラーへの挑戦権を得るのはだれか。
デルポトロの欠場で錦織、フェデラーには優勝で自力4位のチャンスが出てきました。クレーシーズンに向けて少しでも有利にしておきたい大事な大会です。
アカプルコ(ATP500、ハード)
[1]ナダル
[7]ジョンソン
[3]イズナー
[8]ミルマン
[6]ティアフォー
[4]シュワルツマン
[5]デミノー
[2]ズベレフ
まず残念なニュースですが、出場予定だったデルポトロがデルレイビーチでの故障再発を受けて欠場。アンダーソンも欠場となりました。
全豪準優勝の[1]ナダルが始動です。初戦はミーシャ・ズベレフ、2回戦はキリオスかセッピとトリッキーな相手が続きます。キリオスはやる気が上がったり下がったりしていますが、ナダルと対戦ということで火がついてくれるといいのですが…
QFはジョンソンよりもワウリンカか。高いバウンドサーフェスを苦にしなければ上がってくるでしょう。14全豪、17全仏決勝カードの再現なるか。
IWに近い高バウンドサーフェスとなればこの人、[3]イズナーも上がってくるでしょう。目前に迫っているマイアミの失効を前に、昨年不調期だったこの時期に稼いでおきたい。ただこのブロックにはアカプルコマイスターのクエリーがいます。2回戦が大きな山場になりそう。
ATP500で初めてシードが付いた[8]ミルマンにも注目。最近出入りの激しい30位~50位付近。気が付けばランキングも少し落ちてきました。奮起に期待です。ドローはいいです。
ボトムハーフではこちらも全豪以来の実戦となる[2]ズベレフ。全体的にいいドローです。ボトムハーフの方が楽なドローのように感じます。2回戦にフェレールが上がってくるようだと面白い。フェレール、ブエノスアイレスに続いての優勝経験のある大会へのWC参戦。今度はどんなプレーを見せてくれるのでしょうか。
ボトムハーフはズベレフが敗れるようだと大混戦に。トップハーフはこの厳しいドローにナダルがどう太刀打ちしていくのか。
サンパウロ(ATP250、クレー)
[1]ソウザ
[7]ロンデロ
[4]マイヤー
[6]ムナー
[8]ダニエル太郎
[3]ペリャ
[5]クエバス
[2]ジャズーリ
IW前週ということもあり、ティーム、シュワルツマンなどのクレー上位組がアカプルコに移動して、一気に過疎気味のメンバー構成になってしまいました。
一方、この影響を受けて初記録が続出しています。
まずはATPツアー初の第1シードとなったソウザは、ポルトガル人史上初のツアー第1シードとなりました。
またロンデロ、ダニエルは嬉しいツアー初シードです。
大会は第4クォーターにリオで感動的な優勝を果たしたばかりのジェレ、準優勝のアリアシムがノーシードで入っていて、厳しいブロックに。しかし予想するのは難しいほど混戦です。
今週は花粉さえなければ色々試合見たいと思います。